令和2年9月16日作成

水稲

(担当)JA全農さいたま 営農支援課

ようやく暑さも納まり、収穫の最盛期を迎えました。長引いた梅雨の後、一転して猛暑となり、それが9月半ばまで続くという、稲作にとって厳しい夏となりました。高温で籾は見た目以上に早く出来上がるので、刈り遅れのないよう作業を進め、品質低下を防ぎましょう。

1. 8月以降の気象経過

8月1日の梅雨明け以降猛暑が連続し、8月の平均気温は29.6℃で平年よりも2.8℃も高く、観測史上最も暑い年となりました。9月に入ってもこれまで平均で2.2℃も高く経過しています。この暑さは米が白く濁る「乳白米」が激発した2010年に匹敵するものです。

注)グラフ中の27℃線は高温障害の危険温度で、出穂から20日間続くと乳白米が多発する。

2. 水稲の収穫適期

高温で品質低下が懸念されるとともに、登熟は促進され、収穫期が前進しています。4月末から5月初旬植えの早期栽培は平年並みからやや早い程度でしたが、それ以降の田植えでは、いずれも出穂してから高温が続き、登熟期間が短縮しています。

水稲が刈り取り適期に至るまでに必要な日数や温度は表1のとおりです。

 表1 品種別収穫適期の目安

品種名 作期 出穂後日数 登熟積算気温
コシヒカリ 早期 35~44 950~1,150
彩のきずな 早期 35~48 900~1,200
普通 38~48 900~1,100
キヌヒカリ 早期 37~45 980~1,180
普通 37~45 920~1,050
彩のかがやき 早期 35~44 910~1,110
普通 44~58 1,010~1,250

例えば、キヌヒカリの早植で8月10日に出穂した場合、平年気温であれば登熟積算気温が980℃に達するのが9月17日で、出穂後38日ですが、今年の気温では9月13日に980℃に達し、出穂後日数は34日となり、4日早まっています。

 表2 出穂期別950℃到達予想日

出穂期 950℃到達日 平年遅速
8月10日 9月12日 4日早
8月12日 9月14日 5日早
8月14日 9月17日 5日早
8月16日 9月20日 4日早
8月18日 9月23日 4日早
8月20日 9月26日 3日早
8月22日 9月28日 4日早
8月24日 10月1日 3日早
8月26日 10月4日 3日早
8月28日 10月7日 3日早

8月10日以降、出穂からの積算気温が950℃に到達する日を、気象予報を活用して表2のようにまとめました。表1と併せて、品種に合った刈り取り計画を立て、適期収穫を行いましょう。

気温の高い年は、穂の黄化よりも米の成熟が早いので、見た目だけの判断は避けて下さい。

3. 収穫時水分と適正乾燥

(1)収穫時の籾水分

刈り取りは籾水分25%以下になってからが適切です。反面、適期が過ぎ、ほ場での過乾燥では胴割米発生の危険があります。やむを得ず高水分で刈り取りした時は、籾を長時間堆積し、発熱、発酵による品質低下の無いよう、速やかに乾燥機に投入しましょう。

(2)乾燥の注意点

一般に、乾燥における品質低下の原因は、水分調節不良、乾燥ムラ、急激乾燥   による胴割米、油煙事故などです。乾燥不足や過乾燥を防止するため、必ず水分計を用いて水分測定を行いましょう。また、水分較差の大きい籾は乾燥ムラの原因になるので混合は避け、高水分籾の高温急激乾燥も胴割れの原因になるので絶対にやめましょう。