令和2年8月7日作成

水稲

(担当)JA全農さいたま 営農支援課

5月中旬植コシヒカリ 穂ぞろい期

6月下旬植彩のかやがき 幼穂形成期だが茎数不足

平年よりも10日遅れでようやく梅雨明けとなりました。これまでの曇雨天で早期の稲は出穂がばらつき、晩植の稲は茎数不足になっています。中干しができず軟弱であったほ場の乾燥は必要ですが、出穂・開花時期は湛水管理も重要です。天候と稲の生育にあわせてこまめに管理を行いましょう。

1 気象経過と生育状況

(1)気象経過(7月)

6月までの高温から一転、7月は梅雨前線の長期停滞から曇雨天が続き、気温は低く、降水量が多くなりました。また、日照時間が観測史上最も少なくなりました。

  平均気温 降水量 日照時間
本年 平年 平年差 本年 平年 平年差 本年 平年 平年差
5月 19.7 18.2 1.5 119.5 111.8 7.7 186.9 182.0 4.9
6月 23.7 21.7 2.0 259.0 145.4 113.6 148.5 125.5 23.0
7月 24.1 25.3 -1.2 226.5 161.6 64.9 46.6 136.9 -90.3
(2)水稲の生育状況

[1]早期栽培(4月末~5月上旬までの田植え)
 出穂始めから穂ぞろいまでの日数を要したため、1株のなかでも傾穂が始まっている穂やまだ開花中の穂が混ざり合っています。これまでほ場が乾かなかったため、開花中でも落水しているところが見受けられ、高温による籾の発育への影響が懸念されます。

[2]早植栽培(5月中旬~下旬までの田植え)
 中生のコシヒカリ、彩のきずな、キヌヒカリは穂ぞろい期、晩生の彩のかがやきは穂ばらみ期~出穂始めになっています。中干しが十分にできず、分げつを切り上げて葉色を落とすことができなかったほ場が多く、草丈がやや高く、葉色もやや濃い状態です。出穂している中で落水しているほ場が見られるため、高温による籾の発育への影響が懸念されます。

[3]普通栽培(6月以降の田植え)
 上中旬の田植えでは、中生のコシヒカリ、彩のきずな、キヌヒカリが穂ばらみ期~出穂始めになっています。晩生の彩のかがやきは穂ばらみ期に入るところです。いずれも中干しが遅れたため、穂肥の時期まで分げつがだらだらと増加し、葉色濃い状態が続き、草丈はやや高い状態です。
 下旬植えでは、幼穂形成期を過ぎ穂が急激に伸長する時期になっています。外観では分げつの発生と葉色の発現が遅れ、草丈だけが伸びています。多くの地帯が梅雨明けと用水の節水期がかさなり中干しはやや遅れながらも実施できています。

2 気象予報と今後の管理

(1)向こう1か月の予報

気象庁が8月6日に発表した向こう1か月予報からは、8月末まで高温が続くようです。2週間予報では、特にお盆明けまでが猛暑の予想です。晴れ日が多くなり、日照時間は多めで降水量はやや少ないと予想されます。

(2)生育予想と今後の管理

[1]早期栽培
 5月1日植え、7月25日出穂のコシヒカリの成熟期は8月30日と予想されます。ただ、出穂のばらつきから、早い穂と遅い穂で外観では成熟ムラが出ると思われます。高温が続く時は、籾の色の見た目よりも玄米の登熟は進むので、遅い穂に収穫を合わせると早い穂は刈り遅れになり、結果的に青米と着色米の混在で等級を落とすことが懸念されます。遅い穂がやや青みを残す状態で収穫しましょう。

[2]早植栽培
 5月20日植え、8月3日出穂のコシヒカリの成熟期は9月8日と予想されます。彩のきずな、キヌヒカリも出穂から37~38日で成熟期になると予想されます。出穂前後に梅雨明けしたため急激な高温に遭遇しており、水管理は特に重要です。中干しが不十分であり、ほ場を乾かしたいところですが、早い穂が少し傾き始めるまでは水を切らさないよう注意しましょう。それ以降は田面に軽いヒビが入る程度に干して入水を繰り返し、徐々に田面を固めるようにしましょう。

[3]普通栽培
 6月上中旬植えでは、穂ばらみ期~出穂始めとなるため、遅れていた中干しを終了し、湛水管理に切り替えましょう。中干し後に葉色が落ち、群落の葉色がカラースケールで3.5以下であった場合、高温被害対策のために大至急窒素成分で1~1.5kgの追肥を行って下さい。
 6月下旬植えでは、茎数が少ないので干し過ぎに注意し、田にヒビが入ったら湛水管理に切り替えましょう。中干し後も葉色が濃い状態であれば穂肥は慌てず、お盆前までは様子をみてみましょう。葉色がカラースケールで4以下にならなければ穂肥は中止しましょう。