令和2年6月8日作成

水稲

(担当)JA全農さいたま 営農支援課

田植え後3週目のコシヒカリ 分げつ開始

田植え後5週目のコシヒカリ 有効分げつ決定期

大麦の収穫が終了し、小麦の収穫も大詰めを迎えています。例年よりも早めの作業となっているので焦らず、作業事故のないよう注意しましょう。夏の暑さを考えて田植えを早く終わらせようと慌てずに、暑さを回避するよう盆明け出穂をねらった田植え時期の決定も高温被害軽減の対策になります。

(1)気象経過(5月)

4月の低温から変わって、5月は半旬ごとに寒暖の変動があったものの、平年に比べ平均で1.5℃高温で経過しました。降水量と日照時間はともに平年並みでした。

  平均気温 降水量 日照時間
本年 平年 平年差 本年 平年 平年差 本年 平年 平年差
3月 10.2 7.9 2.3 99.5 70.5 29.0 205.1 196.0 9.1
4月 12.6 13.6 -1.0 175.0 92.9 82.1 239.3 190.2 49.1
5月 19.7 18.2 1.5 119.5 111.8 7.7 186.9 182.0 4.9

特記事項:4月の低温から5月は高温へ転換

(2)水稲の生育状況

[1]4月末~5月上旬までの田植えでは、4月の低温で苗丈がやや短くなったものの、田植え後の天候が比較的穏やかで西風による被害もみられず、活着は良好で、その後の生育も順調に進んでいます。
また、田植え後35日を過ぎたものは穂になる有効分げつの数も十分に確保されています。

[2]5月中旬から下旬までの田植えでは、苗の徒長や老化もみられず、田植え後の活着も良好で、分げつも順調に発生しています。
6月6日北埼、大里、児玉地域の一部地域で雹を伴う暴風雨が発生し、冠水した圃場も発生しましたが排水は比較的早く、被害はみられませんでした。

[3]6月田植えでは、麦の収穫が早まり、ビール麦あと圃場から田植え作業が順調に開始されています。

2 気象予報と生育および今後管理

(1)向こう1か月の気象予報と長期予報

気象庁が6月4日に発表した向こう1か月予報では、気温の高い確率が70%と高く、高温が予想されています。降水量、日照時間は概ね平年並みの見込みです。

また、5月25日発表の6~8月までの3か月予報では、期間中平年よりも気温が高い予想となっており、今年も猛暑が予想されます。

(2)水稲の生育予想

[1]4月末~5月上旬までの田植えでは、生育は旺盛でかつ促進されると予想されます。また、幼穂の分化も早まるでしょう。

[2]5月中旬から下旬までの田植えでは、分げつの発生も早く、多くなると予想され、コシヒカリ、キヌヒカリ、彩のきずな、彩のかがやきともに田植え後30日を過ぎれば有効分げつは確保できるでしょう。

[3]6月田植えでは、田植え作業は順調に進むと予想されます。育苗中の苗はやや伸びすぎや肥料切れになる懸念があります。

(3)今後の作業

[1]4月末~5月上旬までの田植えで、中干しがまだ実施されていない圃場では、急いで中干しを開始しましょう。なお、高温が予想されるので過度な中干しは控え、中干しが終了したら穂肥まで間断潅水を励行しましょう。葉色が予想以上に低下した圃場では穂肥の前に窒素で1~2kgの追肥を行いましょう。

[2]5月中旬~下旬までの田植えでは、田植え後30日を過ぎたら中干しを開始しましょう。高温対策として過度な中干しは控え、小ヒビがはいったら終了し、以降は穂肥まで間断潅水を励行しましょう。また、葉色が予想以上に低下した圃場では、穂肥の前に窒素で1~2kgの追肥を行いましょう。

[3]6月田植えでは、田植えの精度と初期の水管理が作柄に強く影響しますので、深植えと厚植えに注意し、浅水管理で分げつの早期確保を行いましょう。また、気温が高いため雑草の発生も早いので、除草剤散布が遅れないよう、また散布後は止水管理で除草効果を高めましょう。
なお、小麦の収穫が早まり、田植え作業が前倒しにできる日程であっても、猛暑による被害を避けるために通常の日程かやや遅らせて田植えを行うようにしましょう。余裕のできた分は丁寧な耕耘、代掻きに回して、少し体も休めましょう。

(4)その他作業

[1]雑草防除
最近、畦畔から侵入するイネ科やツユクサ科の雑草が増加しています。また、クサネムやアメリカセンダングサなど長大になる雑草も増えています。これら雑草はいったん侵入すると除草剤での完全防除が困難です。最も効果的な対策は侵入初期に抜き取ることです。水回り等で見かけたらその場ですぐに抜き取る癖を付けましょう。

畦畔から侵入し始めたイボクサ

前年の種から出てきたアメリカセンダングサ

長大化して稲を抑制するクサネム

[2]置き苗の除去
補植用に残した稲は、これからの季節いもち病の感染源になる可能性があります。苗が活着したら早めに取り除きましょう。

水口付近に残した苗がいもち病の発生源に