令和2年5月8日作成

麦類

(担当)JA全農さいたま 営農支援課

3月までの高温で記録的に出穂が早まったものの、4月は一転、気温が低く推移したことで登熟はゆるやかになり、概ね順調に進んでいます。大麦は出穂から概ね50日経過し、小麦も11月播きは40日になろうとしています。収穫に向けた準備を進めましょう。

1 気象経過と麦の生育状況

(1)気象経過(4月)

3月までの高温が一転し、4月は平年よりも1℃低く経過しました。中旬に2回まとまった降雨があり月間降水量はかなり多いものの、月全体では晴れの日が多く、日照時間は多くなりました。

  平均気温 降水量 日照時間
本年 平年 平年差 本年 平年 平年差 本年 平年 平年差
1月 6.4 4.0 2.4 74.0 32.6 41.4 183.7 210.6 -26.9
2月 7.1 4.7 2.4 14.0 34.6 -20.6 215.9 192.2 23.7
3月 10.2 7.9 2.3 99.5 70.5 29.0 205.1 196.0 9.1
4月 12.6 13.6 -1.0 175.0 92.9 82.1 239.3 190.2 49.1

特記事項:1~3月まで記録的な高温。4月は一転して低温に経過。

(2)麦類の生育状況

記録的な暖冬で、小麦、大麦ともに大幅に出穂が早まったものの、4月の低温で登熟は延伸しています。2回のまとまった降雨で滞水した圃場も見られましたが、湿害はわずかです。

大麦では、11月中旬播きは有効穂が少なく、遅れ穂の発生が多いため、登熟にばらつきが見られています。11月下旬から12月播きのものは、穂数は概ね確保されていますが葉色がやや淡くなっています。18日の大雨で倒伏の発生も見られましたが回復し被害は軽微です。

小麦では、11月中旬播きは有効穂がやや少なく、大麦ほどではないものの遅れ穂がやや多くなっています。
11月下旬から12月播きのものは、圃場による差が大きく、苗立ち数を確保できて降雨による滞水のない圃場では穂数は概ね確保されていますが、出芽不良、排水不良の圃場では穂数はかなり少なっています。全体的に倒伏は少なく、登熟はこれまでのところ順調です。

2 気象予報と生育および今後管理

(1)向こう1か月の気象予報

5月7日発表の関東甲信地方向こう1か月の予報では、気温は平年よりも高く、降水量、日照時間は平年並みと見込まれます。また、特に中旬は気温が高くなると予想されています。

(2)麦類の収穫時期

大麦の成熟は、11月中旬播きのものでは5月10日頃と予想されます。遅れ穂が多いため熟期がばらつきますが遅れ穂の成熟を待たず、有効穂の刈り取り適期に合わせて収穫しましょう。11月下旬以降播種のものは5月15日頃からと予想されます。

小麦の成熟は、11月中旬播きのものでは5月20日頃、11月下旬以降播種のものは5月25日頃からと予想され、平年よりも5~7日早まります。

収穫期の小麦

収穫期の二条大麦(ビール麦)

(3)今後の対策

[1]排水路の再点検

まもなく収穫となることから降雨後に速やかに圃場に入れるよう、再度排水路、排水口の点検を行って下さい。

[2]麦に混入する雑草の除去

カラスムギ、カラスノエンドウの種は混入するとグレーダーでは除去できません。もう一度圃場を確認して、発生していれば抜き取りましょう。ソバの栽培履歴がある圃場では、ソバの抜き取りも必ず実施してください。

[3]作業機、作業場の準備

コンバインや乾燥機、調製機器の清掃、点検、整備を事前にしっかり行い、収穫に備えましょう。作業所内の清掃も忘れずに済ませておきましょう。

[4]適期刈り取り

今年は梅雨入り前の比較的安定した天候で作業が実施できると予想されるので、麦の観察と併せて週間天気予報を参考に作業計画を立て、適期刈り取りを行いましょう。また、倒伏した部分や病気の発生個所は刈り分けて品質低下を防ぎましょう。

[5]その他(枯れ熟れの記録)

晴天が続いて圃場が乾燥し、成熟前に葉が枯れあがる「枯れ熟れ症」の発生が近年多くなっています。枯れ熟れ症状が出た時は、次年度に向けて対策が必要です。発生した地点を忘れずに記録しておきましょう。