令和2年4月6日作成

麦類

(担当)JA全農さいたま 営農支援課

 

本年の麦は、記録的な暖冬の影響で生育が著しく早まり、大麦は3月中に穂が出揃い、小麦も4月早々に出穂が始まりました。このため、赤かび病の防除適期が大幅に前倒しになりますので、作業準備を急ぎましょう。

1 気象経過と麦の生育状況

(1)気象経過

気温は1月~3月まで2度以上高い経過し、特に1,2月は観測史上最も高温で、記録的な暖冬となりました。降水量はやや多く、日照時間は概ね平年並みでした。

  平均気温 降水量 日照時間
本年 平年 平年差 本年 平年 平年差 本年 平年 平年差
1月 6.4 4.0 2.4 74.0 32.6 41.4 183.7 210.6 -26.9
2月 7.1 4.7 2.4 14.0 34.6 -20.6 215.9 192.2 23.7
3月 10.2 7.9 2.3 99.5 70.5 29.0 205.1 196.0 9.1

特記事項:1,2月の平均気温は、観測史上最も高温となった。

(2)麦類の生育状況

記録的な暖冬により麦類の生育は大幅に促進され、小麦、大麦ともに幼穂の発育が早まりました。

県農業技術研究センターの調査によれば、二条大麦(品種:彩の星、11月8日播)の出穂期は3月11日で、平年よりも20日、昨年よりも9日早くなり、小麦(品種:さとのそら、11月8日播)の出穂期は4月1日で、平年並びに昨年よりも11日も早くなっています。また、小麦(さとのそら)は11月25日播で4月5日に出穂が始まっています。

草丈は全般的に高く、茎数(穂数)は小麦で平年よりもやや少なく、大麦ではかなり少なくなっています。

2 気象予報と今後の管理

(1)向こう1か月の気象予報

向こう1か月の予報では、平年と同様に晴れの日が多い見込みで、気温は平年並み、降水量は少なく、日照時間はやや多いことが見込まれます。

(2)麦類の今後の管理

[1]赤かび病の防除

赤かび病の防除適期は、ビール麦が穂ぞろい期から10日後、六条大麦が穂ぞろい期であり、適期~すでに適期を過ぎているところが多くなっています。防除が未実施の圃場では直ちに散布を行って下さい。

小麦は出穂始めから10日後までが防除適期であり11月上旬播きでは急いで準備を行い、適期内の防除を行って下さい。遅播きのものも出穂は早まっているので適期を逃さないよう計画を前倒しし、適期を逸しないよう注意しましょう。

ビール大麦の発病穂

小麦の発病穂

適応薬剤の例

薬剤名 FRACコード 麦種 希釈倍数 使用時期 使用回数
ストロビーフロアブル 11 小麦 2,000~3,000倍 収穫14日前まで 3回以内
ストロビーフロアブル 11 麦類(小麦を除く) 2,000~3,000倍 収穫14日前まで 3回以内
トップジンM水和剤 小麦 1,000~1,500倍 収穫14日前まで 3回以内※
トップジンM水和剤 麦類(小麦を除く) 1,000~1,500倍 収穫30日前まで 3回以内※※
トップジンMゾル 小麦 1,000~1,500倍 収穫14日前まで 3回以内※
8倍(無人ヘリ登録)
トップジンMゾル 麦類(小麦を除く) 1,500倍 収穫14日前まで 3回以内※※
8倍(無人ヘリ登録) 収穫21日前まで
チルト乳剤25 小麦 1,000~1,200倍 収穫3日前まで 3回以内
8倍(無人ヘリ登録) 収穫7日前まで
チルト乳剤25 大麦 1,000~2,000倍 収穫21日前まで 1回
8倍(無人ヘリ登録)

※出穂期以降は2回以内、※※出穂期以降は1回以内

[2]圃場の排水路の再点検

登熟中の多雨で滞水すると湿害を受け、粒の充実が悪くなり、等級低下の要因になるので、改めて排水路と排水口の点検を行いましょう。

[3]作業機の準備

コンバインや乾燥機は、作業に余裕のある時期に早めに実施しておきましょう。特にモミやごみの残りやすいオーガや昇降機内は念入りに実施して下さい。

コンバインの刈歯部分や搬送チェーン等負荷のかかる駆動部は、緩みの点検や注油など使用点検書に沿ってメンテナンスを行いましょう。

作業所内の清掃も、ネズミの糞などの異物や異種穀粒が混入しないよう念入りに実施して下さい。

[4]その他(枯れ熟れの記録)

晴天が続いて圃場が乾燥し、成熟前に葉が枯れあがる「枯れ熟れ症」の発生が近年多くなっています。枯れ熟れ症状が出た時は、次年度に向けて対策が必要です。発生した地点を忘れずに記録しておきましょう。