令和元年9月5日作成

水稲

(担当)JA全農さいたま 営農支援課


ビ-ル麦後ドローンによる鉄コ-テイング種子直播稲の出穂風景(9.1)

早期栽培では8月中旬から収穫が始まり美味しい埼玉県産米が集荷され始めました。早植栽培もそろそろ収穫間近になっています。適期刈り取り及び時期を確認し収穫作業に入ってください。普通期栽培の水稲は登熟中期~後期の生育です。気温の高い日や台風の影響による障害が心配されます。適切な水管理と適期刈り取り及び適正な乾燥調製により良品質米の生産に努めましょう。

9~10月管理のポイント4項目

1,落水期

2,適期刈り取りの励行

3,適切な乾燥調製作業で高品質米生産

4,コンバインや乾燥機のメンテナンス

※動力部の注油で故障や破損、また昨年の籾や麦類、異品種が混入することを未然に防ぎましょう。

1,落水期

落水期については、玄米の大きさが決まった出穂後25日~30日後とします。玄米の充実には重要なポイントとなります。

具体的には早植の「コシヒカリ」「彩のきずな」など8月上旬に出穂したものでは、9月上旬に落水となります。出穂が中旬の「彩のかがやき」では9月10~15日前後になります。6月中下旬植の「キヌヒカリ」や「彩のきずな」で8月15~20日頃に出穂期を迎えたものでは9月15~20日頃になります。

2,適期刈り取りの励行と障害粒混入防止

稲も成熟期を迎え高品質・高食味米を確保しなければなりません。そのために埼玉県農業技術研究センターでは下表のとおり、(1)出穂後日数で判断する方法、(2)籾の色相変化による帯緑籾歩合(%)方法、(3)出穂した後、日平均気温による登熟積算気温による方法の適期刈り取りの情報提供をしています。

最もわかりやすいのは(1)の出穂後日数ですが、熊谷地方気象台や各アメダス等観測地点の観測データーを活用した積算温度と併用すれば、より確かな刈り取り時期を掴むことが出来ます。

作期・品種別の収穫適期判定指標
埼玉県主要農作物奨励品種特性表より
  田植時期 出穂後日数(日) 滞緑籾歩合(%) 登熟積算気温℃
彩のきずな 早植 5中旬頃 35~48 50~10 900~1,200
普通 6中旬頃 38~48 40~15 900~1,100
キヌヒカリ 早植 5中旬頃 37~45 35~15 980~1,180
普通 6中旬頃 37~45 35~15 920~1,050
コシヒカリ 早期 5月初旬頃 35~44 15~10 950~1,150
彩のみのり 早植 5中旬頃 40~48 80~50 1,040~1,230
普通 6中旬頃 41~53 60~20 970~1,190
彩のかがやき 早植 5中旬頃 44~58 90~45 910~1,110
普通 6中旬頃 35~48 55~25 1,010~1,250
日本晴れ 早植 5中旬頃 40~49 15~10 1,030~1,200
普通 6中旬頃 46~55 15~10 1,040~1,200
さけ武蔵 普通 大麦のあと 37~44 65~35 840~980
普通 小麦のあと 39~47 60~25 880~1,030
峰の雪もち 早植 5中旬頃 34~42 35~10 900~1,120
へいせいもち 早植 5中旬頃 40~50 15~3 1,000~1,200
普通 6中旬頃 46~59 15~3 1,000~1,200

3,適切な乾燥調製作業で高品質米生産

(1)籾水分%と刈り取り時期

刈り取りは籾水分25%以下になってからが適切です。反面、適期が過ぎ、ほ場での過乾燥では胴割米発生の危険があります。

コンバイン各部の清掃をしっかり行い、他品種や昨年の籾や麦の混入が無いようにしてください。また、高水分刈り取り籾を長時間堆積し、籾発酵による品質低下の無いよう十分気を付けて下さい。

(2)乾燥温度

一般に、乾燥における品質低下の原因は、乾燥不足、過乾燥、乾燥ムラ、急激乾燥による胴割米、油煙事故などです。

  1. 乾燥不足や過乾燥を防止するため、必ず水分計を用いて水分測定を正しく行ってください。
  2. 乾燥ムラは、夾雑物が多くて循環不良を部分的に起こした場合や、水分較差の大きい籾を混合した場合などで発生するので、これらの点にも留意してください。
  3. 胴割れや食味低下を防止するため、高水分籾の高温急激乾燥は絶対に行わない。
    送風温度30℃以下の遵守。穀粒水分が20%以下になってから通常の送風温度に上げます。

    左写真のように自然光では目立ちませんが、右写真のように下から光をあてると胴割れが明瞭に見えます。刈り取り遅れや高温急激乾燥は避けましょう。
  4. 籾の張り込み量が少ないと循環速度が早まり、穀粒内部水分が均一化するまでの時間が短いので胴割れを起こしやすくなります。必ず最少張込量以上で運転しましょう。
  5. 適正玄米水分14.5~15.0%を厳守してください。
(3)調製は念入りに
  1. もみすり機は、流量、ロール間隙を調整して適性な脱ぷ率にします。
  2. 乾燥不足や籾温の放冷が不十分の場合は肌ずれ米が出やすいので注意してください。
  3. 過乾燥籾は胴割米が生じやすくなります、上記を遵守してください。
  4. 必ずライスグレーダを用い、流量と傾斜角度を適正に設定して調製を行って下さい。
  5. ライスグレーダは、品種の粒径に見合ったふるい目を選定して使用するが、整粒歩合を高めるため努めて1.80ミリ以上の網目を用いましょう。
    ただし、酒米の「さけ武蔵」は2.0ミリ網目です。

○1等比率

銘柄米

100%

一般うるち米

90%以上

適正水分

14.5~15.0%

整粒歩合

80%以上の確保

○麦の混入

絶  無

○着色粒の混入

絶  無

○適正量目

皆掛重量

紙袋:30.5㎏以上

 

フレコン:1,033.0㎏以上

上記に留意し消費者、実需者に高い評価を得るようにしましょう。