令和元年7月9日作成

水稲

(担当)JA全農さいたま 営農支援課


ビ-ル麦後 ドローンによる鉄コ-テイング種子直播の播種後40日目の風景(7.9)

1 気象予報

(1)1か月予報

 気象庁発表による関東甲信地方の1か月予報(7月6日~8月5日)では、気温は低い確率が60%、平年並みが30%、降水量は平年並み、多い共に40%。日照時間は平年並、少ない確率が共に40%と予想されました。

(2)3か月予報

 気象庁発表による関東甲信地方の3か月予報(7月~9月)では、7月は平年に比べ曇りや雨の日が多く、気温は平年並みか高い確率が共に40%。8月は平年と同様に晴れの日が多く、9月は天候が数日の周期で変わり、平年と同様に曇りや雨の日が多い。気温は平年並みまたは高い確率が共に40%と予想されました。

5~6月の平均気温・降水量(熊谷地方気象台)

  5月 平年比% 6月 平年比% 7/1~8の精算 平年比%
1年 平均気温℃ 20.3 112 22.1 102 182.6 96
30年 同上 19.8 109 23.1 106 211.4 111
平年 同上 18.2 100 21.7 100 190.6 100
1年 降水量mm 86 77 224.5 154  
30年 同上 125.5 112 111.5 77
平年 同上 111.8 100 145.4 100
1年 日照時間 248.5 137 134.4 107
30年 同上 209 115 204.2 163
平年 同上 182 100 125.5 100

 熊谷地方気象台の観測結果では月の平均気温は5月、6月とも平年を上回っていました。このことから水稲の生育はほぼ平年並みの生育と思われます。7月1日から8日までの積算温度の平年比は96%と低い傾向にあります。この状態が続くと、生育はやや遅れる可能性もあります。また、7月の5日から8日にかけての4日間は最低気温が19.6℃~18.7℃を記録しています。このため幼穂形成期に入った早期栽培の早生種では低温障害が若干心配されます。

2 今後の管理

(1)水管理

ア、早期栽培
 高温による白未熟粒の発生を抑制するために、穂ばらみ期までは間断灌水を実施し、無効茎の抑制と根の活性の維持に努めます。

イ、早植栽培
 移植後30日を目安に、有効茎は7日程度として、「小ヒビ」が入るくらいが最良です。有効茎を確保したほ場から中干しを実施します。生育状況を確認し、遅れないように注意しましょう。

ウ、普通栽培、麦後栽培
 移植後中生品種で25日頃、晩生品種で30日頃を目安に、有効茎を確保したほ場から中干しを実施します。生育状況を確認し、遅れないように注意しましょう。中干しは7日程度として、「小ヒビ」が入るくらいが最良です。

エ、麦後栽培
 分げつ始期~盛期の生育です。浅水管理で太いしっかりした分げつを確保しましょう。

(2)雑草防除(中期除草剤の利用)

雑草が多発したほ場では、草種に合せた除草剤(中期・後期剤)の適期散布を行いましょう。

ア、ノビエの取り残し対策
 初期剤等で処理したにもかかわらず、何らかの要因でヒエが発生してしまったら中期剤としてクリンチャ-1キロ粒剤、ヒエクリーン1キロ粒剤やクリンチャーEWの他新剤等があります。ノビエの葉齢を確認し散布しましょう。

イ、広葉雑草や多年生雑草発生対策(イネ科雑草含む)
 ヒエ類や広葉雑草の発生が見られたら、アトトリ剤、レブラス剤、クリンチャーバスMEが有効でしょう。使用時期等を確認し使用して下さい。

ウ、広葉雑草、多年生雑草発生対策
 マツバイやホタルイ、オモダカやクログワイ等の雑草が発生した水田では、レブラス剤、バサグラン粒剤や液剤が効果的です。

エ、最近問題になっているクログワイ除草対策
 初中期一発剤のコメット、バッチリLX、トップガン、ボデーガードプロ等の初中期一発剤を処理した後、中後期剤としてレブラス剤、バサグラン粒・液剤による対策を提案しております。

※薬剤の使用に当たってはラベル等の取り扱い説明書を確認してください。

(3)穂肥

ア、早期栽培
 生育診断結果に基づいて、コシヒカリでは出穂15~18日前、彩のきずなや彩のかがやきでは出穂20~25日前に施用を行いましょう。高温下で稲体の窒素不足は、乳白粒等を増加させるので、葉色診断を行い葉色値4以上の確保をしましょう。

イ、早植栽培・普通栽培
 早植栽培では早期栽培同様に8月上中旬の高温期の出穂から登熟前期を過ごします。このことから乳白米や腹白、背白、基白米などが発生し易い条件です。
以下は埼玉県高温対策資料より転記しました。
 穂肥[1]・出穂前22~23日頃(幼穂長1~2mmに達した時期)に葉色を確認する。
葉色が4以下の場合は、窒素成分で10a当たり3Kg限度に追肥を行う。葉色が4以上の場合は低下するまで施用時期を遅らせ、施用量を2Kg程度に減ずる。もし出穂前10日になっても4以上の場合は追肥を行わない。
 穂肥[2]・出穂前10日頃に葉色を確認し、4以下の場合は2Kg程度を追加施用する。

彩のかがやき平年での出穂期の目安

田植日 穂肥施用時期 出穂期予定時期 収穫時期の目安
5月20日 7月21日~7月22日 8月12日~8月14日 9月17日~9月30日
5月25日 7月23日~7月24日 8月14日~8月16日 9月21日~10月5日
6月1日 7月24日~7月25日 8月16日~8月18日 9月24日~10月10日
6月5日 7月25日~7月26日 8月18日~8月20日 9月29日~10月15日
6月10日 7月26日~7月27日 8月20日~8月21日 10月2日~10月18日
6月15日 7月28日~7月29日 8月22日~8月23日 10月5日~10月20日
6月20日 7月30日~7月31日 8月24日~8月25日 10月7日~10月22日

※出穂期は気象条件によって予定日から2日程度前後することがある。

※収穫期間のめやすは気象条件等によって1週間程度前後することがある。

(4)病害虫防除

ア、いもち病
 本病害は、気温20~25℃で湿度の高い日が続くと発生します。雨が多く日照不足の時や窒素過多によりイネが軟弱になると抵抗力が弱められ感染し易くなります。昨年は、県内各地で発生がみられ、本年も多発が懸念されています。初期の病斑を見つけたら、薬剤で防除します。投げ込み式のパック剤を用いると、省力的に防除が行えます。
なお、置き苗は本病の発生源となるので、速やかに水田から持ち出し、埋めるなどして適切に処分してください。

イ、イネアオムシ(フタオミコヤガ幼虫)  写真提供 : HP埼玉の農作物病害虫写真集

8月に発生する幼虫の被害が最大となり大きな被害になります。そのため、カスリ状の食害痕を認めたら、放置せず7月中に適切な防除をしましょう。

ウ、イネツトムシ(イチモンジセセリ幼虫)  写真提供 : HP埼玉の農作物病害虫写真集

7月下旬から発生する第2世代幼虫は、6月移植のイネで多発し大きな被害を生じます。昨年発生した地域やほ場や多肥栽培のイネなど葉色が濃いイネは特に注意してください。