平成31年1月21日作成

麦類

(担当)JA全農さいたま 営農支援課

2月の作業は、麦踏みや排水路の整備、雑草対策等の他、そろそろ追肥の作業となります。播種後降雨無く、ほ場はすっかり乾いています。土壌の鎮圧もかねて麦踏みを行い過剰な土壌の乾燥を少しでも軽減してください。

1 気象庁1か月予報

気象庁の関東甲信地方の1か月予報(1月19日~2月18日)では、気温は高い確率が40%。平年並みが40%、降水量は平年並みが40%、少ない確率は40%、日照時間は多い確率が40%、平年並みが30%と予報されています。

2 これまでの気温の推移(熊谷地方気象台)と麦の生育状況

(1)旬別平均気温と昨年産及び平年との比較(℃、%)
  11月上旬 中旬 下旬 12月上旬 中旬 下旬 1月上旬 中旬
30年~31年 15.8 13.4 10.8 10.2 5.8 5.7 4.3 5.0
29年~30年 13.1 9.5 8.9 6.3 4.9 5.0 4.8 4.8
昨年対比% 121 141 121 162 118 114 90 104
平年 13.3 11.1 9.3 7.8 6.2 5.2 4.2 3.9
平年対比% 119 121 116 131 94 110 102 128
  積算温度
30年~31年 713.6
29年~30年 578.5
昨年産対比% 123
平年 616
本年平年比% 116

 11月、12月とも平年に比べ大凡20%高い気温で推移しました。29年播種に比べては11月中旬では141%、12月上旬では162%と異常な平均気温でした。11月1日から1月20日までの積算温度では、平年対比で116%、昨年に比べると123%と極めて高い平均気温でした。

(2)麦の生育状況(1月20日)

ビール麦(彩の星)11月5日播種の生育状況

小麦(さとのそら)11月13日播種の生育状況

ビ-ル麦「彩の星」分げつの状況 (1株茎数8本)と幼穂の発育状況(幼穂長 2.5mm程度)

小麦「さとのそら」分げつ状況(1株茎数4本)

3 今後の管理

(1)麦踏

 今後も気温は平年に比べ高く、降雨は少ないと予報されています。そのため、過剰な乾燥を防ぐための土壌表面の鎮圧を兼ね最後の麦踏みを行いましょう。ビ-ル麦「彩の星」では茎立が平年は2月上旬、小麦の「さとのそら」で3月上旬ですので注意してください。

(2)追肥

ア、ビ-ル麦
ビ-ル麦の適正な粗タンパク含有率は11.5%です。そのため、昨年産で高タンパクと指摘されたほ場では追肥を控えるか、窒素施肥量を減らす必要があります。反対にタンパク含有率が低いと指摘されたほ場では窒素追肥を行う必要があります。
現在の生育は11月上旬に播種されたものは幼穂が2mmほどに生長しています。昨年の出穂は4月1日頃でしたので、本年も平年を早廻ると予測すると追肥時期は2月中下旬頃が適期となります。施肥は窒素成分で2kg/10a程を目安にすると良いでしょう。

イ、小麦
 小麦の適正な粗タンパク含有率は9.7~11.3%です。上記ビ-ル麦と同様に高タンパクなほ場では追肥を控えるか、窒素施肥量を減らす必要があります。反対にタンパク含有率が低いと指摘されたほ場では窒素追肥を行う必要があります。
 11月中旬播き「さとのそら」の昨年の出穂は4月11日頃でしたので、本年も昨年同様と予測した場合の追肥時期は3月上旬頃が適期となります。施肥は窒素成分で4kg/10a前後程を目安にすると良いでしょう。

(3)雑草防除

乾燥気味とはいえほ場によっては雑草の発生が多くみられます。気温が高いため雑草の生育も早くなっているので、早めの防除を行ってください。現在は発生が見られないほ場でも、2月にはいるとスズメノテッポウやヤエムグラの発生が考えられます。麦畑(水田)の見回りや麦踏み作業の折りに雑草発生状況を確認してください。

雑草の種類と葉齢を確認し、草種に適合した薬剤を適期に散布し、雑草害を無くしましょう。前回掲載した薬剤例を再掲します。

「平成30年まき 埼玉県 今月の麦作り1月」より転記

薬剤名 麦種 使用時期 主な対象雑草
アクチノール乳剤 麦類 穂ばらみ期まで(雑草発生初期)
※ヤエムグラは4節期、カラスノエンドウには
2~3葉期までに使用する
畑地一年生広葉雑草
ヤエムグラ・カラスノエンドウ
エコパートフロアブル 小麦
(秋播)
小麦節間伸長開始期まで(広葉雑草2~4葉期、
ヤエムグラ2~6節間)但し、収穫45日前まで。
広葉雑草
ヤエムグラ
大麦 大麦節間伸長開始期まで(広葉雑草2~4葉期)
但し、収穫45日前まで
バサグラン液剤
(ナトリウム塩)
小麦 小麦の生育期(雑草の3~6葉期)
但し、収穫45日前まで。
1年生雑草(イネ科を除く)
ヤエムグラ
麦類
(小麦を除く)
麦類の生育期(雑草の3~6葉期)
但し、収穫90日前まで。
ハーモニー75DF
水和剤
小麦・大麦 は種後~節間伸長前 一年生広葉雑草
スズメノテッポウ
(4)排水路(溝)の整備作業・良品質麦生産のために

近年、3月から4月に大雨の降ることが多いため、土の乾いている1月から2月に排水路を整備することが大切です。降った雨水がスムーズに排水路に落ちなければなりません。高低差を良く確認し、問題があればすみやかに補修を行ってください。ビ-ル麦、小麦についても、醸造適性、製粉・加工適正に優れた充実の良い麦の生産をしなければなりません。以下を参考に必ず排水対策を行い、根の健全をはかり生育の後期凋落を防止し充実した良品質麦生産を達成しましょう。