平成30年8月23日作成

水稲

(担当)JA全農さいたま 営農支援課

早期栽培では8月上旬から収穫が始まり美味しい埼玉県産米の集荷が始まりました。早植栽培もそろそろ収穫間近になっています。適期刈り取り及び時期を確認し収穫作業に入ってください。普通期栽培の水稲は登熟中期~後期の生育です。気温の高い日や台風の影響による障害が心配されます。適切な水管理と適期刈り取り及び適正な乾燥調製により良品質米の生産に努めましょう。

8~9月管理のポイント4項目

1,落水期

2,適期刈り取りの励行

3,適切な乾燥調製作業で高品質米生産

4,コンバインや乾燥機のメンテナンス

※動力部の注油で故障や破損、また乾燥機も含めて、昨年の籾や麦類が混入することを未然に防ぎましょう。

1,落水期

落水期については、玄米の大きさが決まった出穂後25日~30日後とします。玄米の充実には重要なポイントとなります。本年は特に高温が続いています。全作期について共通ですので早期落水は止めましょう。

2,適期刈り取りの励行と障害粒混入防止

稲も成熟期を迎え高品質・高食味米を確保しなければなりません。そのためには埼玉県農林総合研究センターでは下表のとおり、
(1)出穂後日数で判断する方法
(2)籾の色相変化による帯緑籾歩合(%)方法
(3)出穂した後、日平均気温を和した登熟積算気温による方法
を明らかにし情報提供しています。最もわかりやすいのは(1)の出穂後日数ですが、今年は7月から高気温が続いています。そのため昨年に比べ登熟が早まっていると思います。それを補うため熊谷地方気象台の観測データーを活用した積算温度と併用すれば、より確かな刈り取り時期を掴むことが出来ます。

積算温度:気象台発表の日毎の平均気温を合計して気温を算出します。
下表のとおり7月25日出穂期では8月22日までの積算温度では815.1℃ですが昨年は753.5℃と比べ 61.6℃高くなっています、積算温度だけで見ますと昨年に比べ2~2.5日程度早まっていると言えます。

平成22年・29年と同30年の積算温度

  7月25日~31日 8月1日~5日 6~10日 11~15日 16~22日 合計 平年対比%
平年 185.9 135.8 135.8 134.9 186.4 778.8 100
平成22年※ 196.1 148.3 142.1 141.5 205.3 833.3 107
29年 185.3 127.4 142.1 122.3 176.4 753.5 97
30年 193.4 158.1 137 145.1 181.5 815.1 105

※水稲玄米に高温障害が発生した年。

作期・品種別の収穫適期判定指標
作期 品種名 出穂後日数(日) 登熟積算気温(℃) 滞緑色籾歩合(%)
早植栽培 彩のきずな 35~48 900~1,200 50~10
キヌヒカリ 37~45 980~1,180 35~15
コシヒカリ 35~44 950~1,150 15~10
彩のかがやき 35~44 910~1,110 90~45
普通栽培 彩のきずな 38~48 900~1,100 40~15
キヌヒカリ 37~45 920~1,050 35~15
彩のみのり 41~53 970~1,190 60~20
彩のかがやき 44~58 1,010~1,250 55~25

3,適切な乾燥調製作業で高品質米生産

(1)籾水分%と刈り取り時期

刈り取りは籾水分25%以下になってからが適切です。反面、適期が過ぎ、ほ場での過乾燥では胴割米発生の危険があります。コンバイン各部の清掃をしっかり行い、他品種や昨年の籾や麦の混入が無いようにしてください。また、高水分刈り取り籾を長時間堆積し、籾発酵による品質低下の無いよう十分気を付けて下さい。

(2)乾燥温度

一般に、乾燥における品質低下の原因は、乾燥不足、過乾燥、乾燥ムラ、急激乾燥による胴割米、油煙事故などです。

  1. 乾燥不足や過乾燥を防止するため、必ず水分計を用いて水分測定を正しく行ってください。
  2. 乾燥ムラは、夾雑物が多くて循環不良を部分的に起こした場合や、水分較差の大きい籾を混合した場合などで発生するので、これらの点にも留意してください。
  3. 胴割れや食味低下を防止するため、高水分籾の高温急激乾燥は絶対に行わない。
    送風温度30℃以下の遵守。穀粒水分が20%以下になってから通常の送風温度に上げます。

    ※※ 本年も高温での立毛過乾燥(刈り遅れ)にも注意してください。

    左の写真のように自然光では目立ちませんが、右の写真のように下から光をあてると胴割れが明瞭に見えます。刈り取り遅れや高温急激乾燥は避けましょう。
  4. 籾の張り込み量が少ないと循環速度が早まり、穀粒内部水分が均一化するまでの時間が短いので胴割れを起こしやすくなります。必ず最少張込量以上で運転しましょう。
  5. 適正玄米水分14.5~15.0%を厳守してください。
(3)調製は念入りに
  1. もみすり機は、流量、ロール間隙を調整して適性な脱ぷ率にします。
  2. 乾燥不足や籾温の放冷が不十分の場合は肌ずれ米が出やすいので注意してください。
  3. 過乾燥籾は胴割米が生じやすくなります。上記を遵守してください。
  4. 必ずライスグレーダを用い、流量と傾斜角度を適正に設定して調製を行って下さい。
  5. ライスグレーダは、品種の粒径に見合ったふるい目を選定して使用するが、整粒歩合を高めるため努めて1.80ミリ以上の網目を用いましょう。
    ただし、酒米の「さけ武蔵」は2.0ミリ網目です。

○1等比率

銘柄米

100%

一般うるち米

90%以上

適正水分

14.5~15.0%

整粒歩合

80%以上の確保

○麦の混入

絶  無

○着色粒の混入

絶  無

○適正量目

皆掛重量

紙袋:30.5㎏以上

 

フレコン:1,033.0㎏以上

上記に留意し消費者、実需者に高い評価を得るようにしましょう。