平成30年5月17日作成

麦類 適期収穫・確実な調製による高品質麦生産

(担当)JA全農さいたま 営農支援課

本年の天候は低温、高温の変動が大きかったものの、埼玉県農業技術研究センター水田農業研究所によればビール麦「彩の星」の出穂期は4月1日、同じく小麦「さとのそら」については5月11日となっております。

麦類の成熟期も平年に比べ数日早まると思われます。そのため刈り取り準備のためコンバインや乾燥機のメンテナンスをしっかり行い、円滑な収穫や乾燥調製に留意し、実需者の要望する高品質麦の生産確保を行いましょう。

(平年における成熟期は、ビール麦では5月19日、小麦さとのそらでは5月31日)

気象庁の関東甲信地方の1か月予報(5月19日~6月18日)では、気温は高い確率が40%、平年並みが30%、降水量は平年並み、やや多いが共に40%、日照時間は平年並が共に40%の確率と予報されました。

平成30年の2月までは平年を下まわる気温で推移しましたが、3月では平年比138%、4月では121%と非常に高い気温で経過しました。平成29年では今年と反対に12~2月は10%以上高く推移した後、3月は平年並み4月105%とやや高く、今年と全く逆な気温推移でした。

熊谷地方気象台観測結果による (℃・%)

  11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月上
平年 11.2 6.3 4.0 4.7 7.9 13.6 17.3
H29~30 10.5 5.4 3.7 4.5 10.8 16.4 17.5
平年比% 94 86 93 96 137 121 101

平成29年の平均気温の経過(℃)

  11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月上
平年 11.2 6.3 4.0 4.7 7.9 13.6 17.3
H28~29 10.5 7.3 4.5 5.8 7.9 14.3 18.6
平年比% 94 116 113 123 100 105 108

1 刈り取り前に -品質確保のための作業留意点-

1 ほ場によってはカラスノエンドウ等雑草の侵入が見られる、決して雑草の種子が混入しないよう麦刈り前に畦畔を含め雑草処理をしましょう。

2 雑草種子同様にソバの実も大きな問題になります、これも決して混入しないようにしましょう。

3 昨年度の稲籾や小麦収穫前にビール麦、六条大麦を収穫したコンバイン、乾燥機を丁寧に掃除し、それらが小麦に混入しないようにしてください。

2 外観等による小麦刈り取り適期

(1)穂の外観での目安

ビール麦で成熟期に達したら時点であり、穂の2~3割が傾いた頃となります。同じく六条大麦では成熟後3~4日後で穂の3~4割が傾いた頃です。小麦では成熟後3~4日後で穂が湾曲し始めた頃を目安にします。

 ビール麦10%程度の穂の傾き

 小麦、穂が湾曲し始め

(2)子実水分の確認

刈り取るときの子実の水分はビール麦で25%以下、小麦30%以下で作業をおこなってください。

(1)ほぼ刈り取り適期に達したほ場でも、倒伏部分や未だ緑色が残る麦、赤かびの発生が懸念される場合は刈り分けて、別ロットにします。

(2)発芽を重視する場合は以下に留意してください。
コンバイン刈り取り速度は稲よりやや速い速度で設定されていますが、やむを得ず水分がやや多い場合での作業では稲並の速度に落とします。

(3)刈り取った子実は速やかに乾燥作業に移し、高水分子実を長時間放置し熱の発生による品質低下を防ぎます。

3 乾燥調製

(1)穂発芽(芽の動いた子実)は小麦粘度が著しく劣るため健全子実に混入させてはいけません。

(2)高温時及び高穀粒水分の収穫となるので、収穫後滞荷し品質低下とならない  ように、速やかに乾燥作業に移してください。

(3)乾燥機における穀温は小麦45℃以下を厳守し、乾燥仕上がりの水分はビール麦で12%以下、小麦で12.5%以下、六条大麦で13%に調製します。

(4)このときの注意は、高温乾燥と水分調整の戻りです。大気中の湿度により仕上げ後の水分が戻るので、その分を調整した乾燥を心がけるようにしてください。

(5)調製時の網目は必ず麦種にあった篩い目により、適正な流量を保って使用するようにして下さい。