平成30年5月22日作成

水稲

(担当)JA全農さいたま 営農支援課


JA南彩 密苗移植風景(30.5.17)

5月1日にコシヒカリを1箱乾籾230g(催芽籾で275g)播種、栽植密度は坪50株(30cm×22cm)10a当たり6.4箱使用。前半は1株平均2.8本植、後半は同4本植。田植機は6条植で10a当たり、ほぼ15分の作業時間。

1 気象予報

4月下旬から5月上・中旬にかけ気温の高い日や肌寒い日など、非常に寒暖の差が大きい日が続きました。このため育苗の温度管理には大変苦労したと思います。

気象庁の関東甲信地方の1か月予報(5月19日~6月18日)では、気温は高い確率が40%、平年並みが30%、降水量は平年並み、やや多いが共に40%、日照時間は平年並が共に40%の確率と予報されました。

2 今後の管理

(1)早期栽培

田植後15~20日目頃に達したほ場では分げつが開始された時期となっています。
また、5月中下旬移植の苗は徒長苗となっているものが見受けられます。植痛みし易い状況なので除草剤散布や水管理に留意し、速やかに活着するよう管理してください。

高温管理による徒長苗

左苗の移植後の流れ葉

ア、除草
 優先雑草としてはヒエ類、オモダカ、ホタルイ、カヤツリグサ、クログワイ等が主な雑草です。適応する初期剤と中期剤か後期剤による体系処理で防除しましょう。
 上記写真のように植痛みしたほ場では除草剤散布は活着後散布にし、極力除草剤の影響を受けないようにしましょう。

(ア)代かき時除草剤散布
代かき時に初期剤を散布する場合は、いずれの除草剤も散布後7日間は止め水とし、除草効果を高める。また、使用基準上も7日以内の落水は禁止されています。

(イ)田植同時除草剤散布
田面が露出した状態で田植を行った際に、植えられた苗の株元に土が戻りにくく、根が露出した状態で除草剤を散布すると薬害の発生原因となります。田植時に土の戻りが少ない、硬くなったほ場では活着後の除草剤散布が良いでしょう。

(ウ)防除困難なクログワイ防除例
クログワイは発生が長期にわたることや塊茎の寿命が長いことなどから難防除雑草とされています。上記特性のため除草剤による即効的な効果は中々困難ですが、AVH-301剤やSU剤を含有する一発剤とバサグラン剤の体系処理が有効とされています。

イ、病害虫防除
埼玉県病害虫防除所による発生予報6月予報によれば、いもち病(葉いもち)は並。イネミズゾウムシの発生は早く、量は並。イネドロオイムシの発生は早く、量はやや少。ヒメトビウンカによるイネ縞葉枯病はやや早く、発生量はやや多と予報されています。必ず効果的な箱施薬を施用してください。麦ほ場近くで、かつ畦畔雑草の多い水田では特に注意してください。左の写真は早期栽培のイネミズゾウムシの食害。

(2)普通期・麦後栽培

ア、育苗管理

(ア)麦類の収穫に伴いヒメトビウンカの苗代への侵入加害が懸念されます。イネ縞  葉枯病の抵抗性がないコシヒカリやキヌヒカリ等では必ず寒冷紗で被覆して侵入を防いでください。
これから播種する場合は、播種時に有効な箱施薬を施用するのが効果的です。

(イ)5月も下旬になると気温も安定してきます。外気温のみの温度管理で十分です。被覆は寒冷紗のみとし、保温効果のある被覆資材は取り除いてください。

(ウ)高い気温での育苗では軟弱徒長ぎみで、葉齢も意外と早く4齢に達します。小麦の収穫時期も考慮し、苗の老化前に移植できるように作業手順を整えましょう。

イ、代かき作業
 昨年の稲わらや麦わらが腐熟不足で、かつ多量に有る場合は、あまり強い代かきは行わず透水性のよい代かきが良いでしょう。田植後高温になると稲わら麦わらが急激に腐熟します。この時イネの根周辺は還元状態となり根腐れを起こしますので、活着後一旦落水し土中のガス抜きや酸素の補給が重要ですので必ず実行しましょう。

ウ、田植と初期の水管理
 健苗の植付けが重要ですが植え付ける際は植え付け深を浅目にし、速やかな活着を促します。活着まではやや深水管理にし、活着後(大凡5日~7日後)は浅水管理で分げつの促進を図ります。

エ、雑草対策
 田植作業や除草剤の使用などについては、早植栽培と同じですので前記を参考にしてください。