平成29年6月7日作成

水稲

(担当)JA全農さいたま 営農支援課


南埼玉郡の水田風景(29.6.7)

1.水稲の気象経過と生育状況

(1)気象経過(熊谷地方気象台)

5月の平均気温は20.1℃で平年18.2℃に比べ10%高く推移しました。降水量は75.5mmで平年111.8mmの68%の降水量でした。日照時間は214.8時間と平年の182時間の118%と多く、早期・早植栽培は順調な生育となっています。

5月の平均気温・降水量(熊谷地方気象台)

  5月上旬 中旬 下旬
29年平均気温℃ 18.6 19.4 22.2
平年気温 ℃ 17.3 17.8 19.5
平年比 % 108 109 114
29年降水量mm 11.0 33.5 31.0
平年降水量mm 23.7 42.9 45.2
平年比 % 46 78 69
(2)生育状況(29,6,2 埼玉県農業技術研究センター 水稲の生育概況による)

ア.早期栽培
 5月2日植の水稲では(田植後30日)分げつ盛期を迎え、以後最高分げつ期に達する生育時期となっています。田植後の日平均気温が20℃以下の日が周期的にありましたが順調な生育となっています(研究所内コシヒカリの葉位8.1、分げつは14.4本/株)。
 4月中下旬に移植した早期栽培地帯では有効分げつが確保され、中干し開始時期を迎えております。

イ.早植栽培
 田植後の気温が高く、日照時間も多かったことから活着~分げつが順調で、現在は分げつ始期の生育時期となっています(全農埼玉県本部 現地 6月20日植 葉位5.5 分げつ始期)。

ウ.普通期栽培
 田植直後~活着期の生育です。

2.今後の管理

気象庁の関東甲信地方の1か月予報では気温、降水量とも平年並み~高い確率が合わせて70%となっています。

(1)早期栽培

田植後35日目頃に達したほ場では有効分げつが確保され中干しの時期となっています。梅雨入り後の中干しですので排水路の草の除去など整備を行い、スムーズな排水による中干しを行いましょう。

中干しの期間は10日間を一つの目安にしてください。また、実施程度は田面に小~中のヒビが入る程度にし、大きなひび割れで多くの根を切断しないよう注意してください。中干し終了後は間断灌水を行い、根の健全化に努めて下さい。

ア.除草
 田植後30日を過ぎると雑草の発生が見られる水田があります。雑草としてはヒエ類、オモダカ、ホタルイ、カヤツリグサ、クログワイ等が主な雑草です。適応する中期剤か後期剤を散布し早めに防除しましょう。

イ.病害虫防除
 埼玉県病害虫防除所による発生予報6月予報によれば、いもち病(葉いもち)並~やや多、イネミズゾウムシ並、イネドロオイムシ並~やや少、ヒメトビウンカやや少、縞葉枯病やや多と予報されています。本年はヒメトビウンカの保毒虫率は平年並と予報されています。6月に入り成虫の飛来が盛期になります。この時期の感染は出穂期頃に穂の出すくみ等の病徴が現れます。中干し前後に殺虫剤の散布等対策を取ってください。

(2)早植栽培

ア.水管理
 除草剤の効果を上げるため深水管理のほ場が多く見られます。分げつ初期からは極力浅水にして、しっかりした分げつを確保するようにしてください。

イ.雑草防除
 初期剤+中期剤の体系処理ほ場では、中期剤の散布時期となっています。雑草の発生有無を確認し散布遅れのない様に注意してください。

ウ.病害虫防除
(ア)ヒメトビウンカ防除
 現在の生育段階は縞葉枯病に感染しやすい稲体です。効果的な箱施薬を行なわなかったコシヒカリ、キヌヒカリ等感受性の高い品種は早急に防除対策を取りましょう。

(3)普通期栽培(大麦後栽培)

ア.田植後速やかに活着させるため水は十分入水しましょう。ただし深水により稲が冠水しては逆効果になりますので注意してください。
麦後栽培で麦わら鋤込みによる水稲栽培では6月下旬から麦わら腐熟が進み土壌中の酸素欠乏となり、根腐れ等から生育不良が生じることがあります。稲が活着し分げつが開始される頃、あるいは分げつ盛期の頃一旦、落水し土中に空気を入れる等土中酸素欠乏にならないよう管理してください。

イ.雑草防除
 初期一発剤の利用が増えています。特に田植機に装着された田植同時散布機の利用が多くなりました。田植同時散布での注意点は、浅植でかつ根の露出が無いこと、田植終了後速やかに田に水が入ることが必要です。根の露出は写真の通り薬害を生じる恐れが多いことです。

ウ.病害虫防除
ヒメトビウンカ
 田植については、必ず効果的な箱施薬を施用してください。麦ほ場近くで、かつ畦畔雑草の多い水田では特に注意してください。