平成29年3月7日作成

麦類

(担当)JA全農さいたま 営農支援課


写真手前 ビール麦 次いで小麦、ビール麦ほ場(29,3,7 熊谷)

1 麦類の生育状況

(1)気象経過

熊谷地方気象台の12月から2月の平均気温は平年を10%以上高く推移し、特に2月の旬毎では平年に比べ20%を超えています。

同じく11月と12月の降水量は平年に比べ40%を超えた多雨となりましたが、年明け後は極めて少なく推移し、2月では殆ど無い状態です。

[1]11月~2月の平均気温(熊谷地方気象台)          単位 ℃・%

月・旬 11月 12月 1月 2月上旬 中旬 下旬
平年 11.2 6.3 4.0 4.1 4.8 5.4
16~17年 10.5 7.3 4.5 4.9 6.0 6.6
平年比% 94 116 113 120 125 122

[2]11月~2月の降水量(熊谷地方気象台)           単位 mm・%

月・旬 11月 12月 1月 2月上旬 中旬 下旬
平年 59.0 31.0 32.6 8.5 21.5 3.5
16~17年 86.5 44.5 16.0 2.5 1.5
平年比% 147 144 49 29
(2)麦類の生育状況

 適期に播種されたビール麦(写真左)などの大麦類は生育が進み分げつも多く発生してます。しかし、年明け後の降雨少ないためか下葉が黄化しています。
 写真の右は小麦「さとのそら」ですが、11月の降雨により播種が11月末にずれ込みましたが年明け後の気温が高く推移したため27年とほぼ同等な生育となっています。幼穂長はビール麦で約20mm、小麦で約5mm程に生長しており、生育程度は平成27年産に近いと思われます。

平成29年3月7日 写真左 ビール麦「彩の星」、右 小麦「さとのそら」

(参考)平成27年3月7日 写真左 ビール麦「彩の星」、右 小麦「さとのそら」

2 今後の管理

気象庁発表による関東甲信地方の向こう1か月の天候の見通し(3/4~4/3)では、気温1週目、平年並みか高い確率が40%、2週目平年並みか低い確立がともに40%、また、降水量は平年並み、または少ない確立がともに40%と予想されています。

このことから麦類の生育は引き続き順調に進むものと予想されますので下記に留意し適切な管理を実施してください。

(1)小麦の追肥

子実タンパク質を適正範囲で確保するため、まだ追肥を行っていないほ場では幼穂形成期の今頃から4月上旬にかけて追肥を行ってください。追肥量は10a当たり「あやひかり」で窒素成分1.5kg~2.5kg位、「さとのそら」で同2.5kg~3.5kgを目安に行ってください。

(2)赤カビ病防除

出穂期が温暖で降雨が続いた場合、赤カビ病の発生が懸念されます。本年産の生育状況を把握し、下記[3]に基づき防除計画を立てておきましょう。

防除に当たっては近隣作物に付着しないように風向きや散布方法(ノズル等)を考えて防除を実施してください。
(今後の発生情報については埼玉県病害虫防除所の情報を参考にしてください。)

[1]罹病した大麦・小麦    HP埼玉の農作物病害虫写真集より

ビール麦の赤かび病
  コムギ赤かび病

空気伝染で飛来した胞子は穎の気孔などから侵入して小穂を侵します。ムギの穂に生ずる桃色のカビは、分生胞子の集団で降雨後分散して二次伝染します。病菌の生育適温は24~27℃で、胞子形成、発芽、宿主侵入には数日間、高い湿度が必要です。特に、胞子飛散は降雨によって促進されます。

[2]赤かびの毒性   嘔吐・下痢、出血、免疫毒性

毒素はDeoxynivalenol(デオキシニバレノール) = 略してDON
毒素 1.1PPm以下   穀粒混入率  0.0%

[3]薬剤散布時期

麦類、特に大麦は毒性のある赤カビ病に感染し易い特性があります。ビール麦の防除時期は穂揃期の10日後を目安に、六条大麦では穂揃期に、小麦では出穂始めから7~10日後を目安に赤カビ病防除を必ず行ってください。小麦や六条大麦で第1回目の防除後も降雨が続いた場合は、開花10日後に追加防除を行ってください。

※農薬の使用に当たっては、使用時期、使用量を厳守し、穀粒に残留が無いように使用して下さい。

(3)雑草防除

全体的には12月から温暖でしたが降雨が少なかったためか雑草の発生はやや少ないように見受けられます。しかしながらほ場によっては写真のようにスズメノテッポウやヤエムグラが目立つほ場もあります。写真の通りヤエムグラもやや成長していますが未だエコパートフロアブルの効果(~6節まで)がある個体が大多数です。散布は収穫前45日までですので注意して散布してください。

(4)排水路(溝)の整備作業・良品質麦生産のために

4月~6月にかけて多雨をも考えなければなりません。雨水をスムーズに排水路に導水するとともに、地表面を速やかに乾燥させ、根腐れや立ち枯れ病・枯れ熟れの発生などによる登熟不良を未然に防止しましょう。