平成28年10月14日作成

麦類

(担当)JA全農さいたま 営農支援課

麦作は水田や畑の有効活用、高度利用の面から、また経営的にもとても有利な作物です。麦の作付け拡大を是非お願いいたします。

本年の作付けにあたっても、昨年の成果を踏まえ(1)適期播種の励行や(2)播種量、基肥施肥量の適正投入、(3)排水路の整備、見直しをしっかり行い、麦の収量及び高品質が確保できるよう基本を徹底しましょう。

1 土壌診断と土壌改良資材の施用

(1) 麦類は下表のようにほぼ中性を好みます。特に、大麦は酸性に最も弱い作物です。酸性土壌は出芽苗立ちはもちろん、その後の生育に大きな影響を与えます。耕起前に土壌PHの測定を行い、石灰等のアルカリ性資材により麦類に適正な土壌にしましょう。

(2) 稲ワラや堆肥を施用し地力を維持しましょう。前記有機物が手に入らない場合は腐植酸等を含み土壌改良効果の優れたレオグリーン特号の100kgの施用を進めています。

(3) 米麦二毛作栽培には麦作前か麦追肥と同時に「農力アップ(リン酸・アルカリ分・ケイ酸・苦土・マンガンを含む)」3~6袋の施用を薦めています。この施用により麦の蛋白向上や米の高温障害対策に効果が期待できるからです。

2 排水対策の徹底による苗立と収量・高品質確保

排水対策が麦作りの最大のポイントです。水稲など前作物の収穫後、できるだけ早くほ場の周囲と内部に排水溝を掘削し、ほ場外の排水路に連結してほ場の乾燥を進めましょう。

次に、弾丸暗渠機を用いて、本暗渠と直交するように2~3mの間隔で、30cm程度の深さに弾丸暗渠を施工しましょう。畑や固定転換畑ではサブソイラーによる心土破砕も大きな効果が得られます。

播種後に再度、ほ場の周囲と内部に5~10m間隔で排水溝を施工し、ほ場外の排水路と確実に連結して、湿害防止に努めます。

3 種子消毒

種子伝染病害防除のため種子は必ず消毒しましょう。消毒方法は簡単で素早くできる種子粉衣をお勧めします。

種子消毒薬剤例 ※ 種子量の0.5%を粉衣。種子30kgに薬剤150g

薬剤名 なまぐさ黒穂病 裸黒穂病 条斑病 斑葉病
ベンレートTコ-ト
キノンド-水和剤40 × ×

4 基準量の基肥を確実に施用(前作物や土壌条件により増減して下さい。)

麦種 品種名 けやき化成444
10a施肥量
N - P - K
Kg/10a
六条大麦 すずかぜ 50 7-7-7
二条大麦 彩の星 50 7-7-7
小麦 さとのそら 50 7-7-7
あやひかり 60 8.4-8.4-8.4

 ◎ 追肥を省略する一発肥料も推進しています。推奨資材は最後に掲載してあります。

5 播種時期と播種量

麦種 品種名 播種適期 ドリル播種量 kg/10a
六条大麦 すずかぜ 11月5日~11月20日 5~6
二条大麦 彩の星 11月5日~11月20日 6~8
小麦 さとのそら 11月10日~11月25日
あやひかり 11月10日~11月25日

6 雑草防除

 播種後直ちに土壌処理剤を散布しましょう。昨年、スズメノテッポウに効果のある除草剤を使用したにもかかわらず、スズメノテッポウが多く残った(発生した)ほ場ではSU剤及びトリフルラリン抵抗性の可能性があるので、抵抗性雑草にも効果のあるキックボクサ-細粒剤Fやリベレ-タ-、バンバン乳剤等の使用が効果的です。
下記の表はイネ科・広葉・スズメノテッポウ・ヤエムグラ等を対象にした剤です。

薬剤名 麦種 使用時期
クリアターン乳剤・細粒剤F 小麦・大麦 播種直後(雑草発生前)
ボクサー(乳剤) 小麦(秋播) 播種後~麦4葉期(雑草発生前~発生始期)
麦類
(秋播、小麦を除く)
播種後~麦2葉期(雑草発生前~発生始期)
ゴーゴーサン乳剤 小麦 播種後(雑草発生前)~小麦2葉期 イネ科雑草1葉期まで
麦類(小麦を除く) 播種後出芽前(雑草発生前)
ゴーゴーサン細粒剤F 麦類 播種後出芽前(雑草発生前)
リベレ-タ-フロアブル 小麦・大麦(秋播) 播種後(雑草発生前)~麦3葉期 イネ科雑草1葉まで
リベレ-タ-G(粒剤) 小麦(秋播)・
大麦(秋播)
播種後(雑草発生前)~小麦葉期 イネ科雑草1葉期まで
ガレース乳剤 小麦・大麦(秋播) 播種後出芽前(雑草発生前)
ガレースG 小麦(秋播)・
大麦(秋播)
播種後出芽前(雑草発生前)
麦1~2葉期(雑草発生前~発生始期)
ムギレンジャ-乳剤 小麦・大麦 播種後出芽前(雑草発生前)

 カラスムギ発生畑では早めに耕起しカラスムギを発芽させ、再度耕耘を繰り返し(又はラウンドアップマックスハイロードを散布し)発生密度を下げるなどの方法も良いでしょう。但し除草剤散布に際しては近隣作物へのドリフトに十二分に注意しましょう。

7 推奨資材例一覧