平成28年6月10日作成

水稲

(担当)JA全農さいたま 営農支援課


北埼玉の水田風景(28.6.3)

1 水稲の気象経過と生育状況

(1)気象経過

5月の平均気温は20.1℃で平年(18.2℃)に比べ10%高く推移しました。降水量は51mmで平年111.8mmの45.6%と半分以下の降水量でした。そのため日照時間は206.4時間と平年の182時間の113%と多く、早期栽培水稲にとっては順調な生育となりました。

5月の平均気温・降水量(熊谷地方気象台)

月・旬 5月上旬 中旬 下旬
気温℃ 19.7 19.1 21.6
平年比% 114 107 111
降水量mm 17.5 24 9.5
平年比% 74 56 21
(2)生育状況

ア、早期栽培
 5月上旬植の水稲では(田植後30日前後)有効分げつが確保され、以後最高分げつ期に達する生育時期となっています。田植後強風や日平均気温が20℃以下の日が周期的にありましたが順調な生育となっています。

イ、早植栽培
 田植後の気温が高く、日照時間も多かったことから活着~分げつが順調で、現在は分げつ盛期の生育時期となっています。

ウ、普通期栽培
 田植直後~活着期の生育です。

2 今後の管理

(1)早期栽培

ア、中干し
 移植後30日を経過した水稲では、有効分げつが決定されました。このため、今後は過剰分げつの抑制や水温の上昇に伴う土壌中の酸素欠乏を防ぐため中干しの実施時期となります。中干しの期間は7~10日を一つの目安にしてください。また、実施程度は田面に小~中のヒビが入る程度にし、大きなひび割れで多くの根を切断しないよう注意してください。中干し終了後は間断灌水を行い、根の健全化に努めて下さい。

イ、除草
 中干し時期になって雑草の発生が見られる水田があります。雑草としてはヒエ類、オモダカ、ホタルイ、カヤツリグサ、アシカキ等が主な雑草です。

ノビエ類が3~4葉期であれば中期剤であるサンパンチやクリンチャーなどを散布し早めに処理してください。オモダカやホタルイやその他広葉雑草が多くやや葉齢が進んでいる場合はバサグランやヒエ類との同時防除としてクリンチャーバスMEが効果的です。但し薬剤により対象雑草が異なりますのでラベルを確認し使用してください。

ウ、病害虫防除

(ア)ヒメトビウンカ防除
 本年はヒメトビウンカの保毒虫率は高いと予想されています。6月に入り成虫の飛来が盛期になります。この時期の感染は出穂期頃に穂の出すくみ等の病徴が現れます。中干し前に殺虫剤の散布等対策を取ってください。

(2)早植栽培

ア、水管理
 除草剤の効果を上げるため深水管理のほ場が多く見られます。分げつ初期からは極力浅水にして、しっかりした分げつを確保するようにしてください。

イ、雑草防除
 初期剤+中期剤の体系処理ほ場では、中期剤の散布時期となっています。雑草の発生有無を確認し散布遅れのない様に注意してください。

ウ、病害虫防除

(ア)ヒメトビウンカ防除
 現在の生育段階は縞葉枯病に感染しやすい稲体です。効果的な箱施薬を行わなかったコシヒカリ、キヌヒカリ等感受性の高い品種は早急に防除対策を取りましょう。

(3)普通期栽培(大麦後栽培)

ア、田植後速やかに活着させるため水は十分入水しましょう。ただし深水により稲が 冠水しては逆効果になりますので注意してください。
 麦後栽培で麦わら鋤込みによる水稲栽培では6月下旬から麦わら腐熟が進み土壌中の酸素欠乏となり、根腐れ等から生育不良が生じることがあります。稲が活着し分げつが開始される頃、あるいは分げつ盛期のころ一旦、落水し土中に空気を入れる等土中酸素欠乏にならないよう管理してください。

イ、雑草防除
 初期一発剤の利用が増えています。特に田植機に装着された田植同時散布機の利用が多くなりました。田植同時散布での注意点は、浅植でかつ根の露出が無いこと、田植終了後速やかに田に水が入ることが必要です。根の露出は写真の通り薬害を生じる恐れが多いことです。

ウ、病害虫防除

(ア)ヒメトビウンカ
 これからの田植については、必ず効果的な箱施薬を施用してください。麦ほ場近くで、かつ畦畔雑草の多い水田では特に注意してください。
 各生育時期毎に生育状況や実証成果についてお知らせいたします。

3 各地で取り組む省力・低コスト稲栽培

 大規模水稲経営では育苗に多くの資材費や労力がかかります。全農埼玉県本部では各農業機械メーカの協力を頂き、育苗の省略や育苗箱数を減らした稲作の導入について、各JAと共同し下写真の様にその実証を行っています。
 各生育時期毎に生育状況や実証成果についてお知らせいたします。