平成28年5月12日作成

適期収穫・確実な調製による高品質麦生産

(担当)JA全農さいたま 営農支援課

1 麦類の生育状況

(1)気象経過

麦類が播種された11月から平成28年5月上旬までは平年を大きく上回る平均気温で推移しました。また、12月から4月までの降水量の合計は285.5mmであり、これは平年に比べ109%もの降雨量でした。また、大麦の出穂後の4月の降水量はほぼ平年比94%と平年並みで推移しました。

11月~3月上旬の平均気温・降水量(熊谷地方気象台)  単位 ℃、%

月・旬 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月上旬
平年 11.2 6.3 4.0 4.7 7.9 13.6 17.3
H26~27 12.4 5.3 4.7 4.9 9.6 14.2 20.1
H27~28 13.2 8.3 4.8 6.0 9.5 15.0 19.7
H27~28
平年比%
118%
降水量
200%
132

69
120

216
128

68
120

103
110

94
114

74
(2)麦類の生育状況

埼玉県農業技術研究センターによればビール麦「彩の星」の出穂期は3月24日(播種日11月10日、昨年は4月2日)、同じく小麦「さとのそら」については4月10日(播種日11月15日、昨年は4月15日)とビール麦で平年に比べ14日、小麦で6日早い出穂となっています。

気象庁による関東甲信地方の1か月予報の内5月7日から6月6日では、気温では平年並み30%、高い確率が60%と予報しています、1か月間の降水量も平年並みから多い確率が40%づつ、日照時間は平年並みから多いが合計60%の確立と発表しています。このことから麦類の成熟期も平年に比べ早まると思われます。(平年の成熟期はビール麦「彩の星」で5月21日、小麦「さとのそら」で6月8日)。そのため刈り取り準備のためコンバインや乾燥機のメンテナンスをしっかり行い、円滑な収穫や乾燥調製に留意し、実需者の要望する高品質麦の生産確保を行いましょう。

2 刈り取り前に -品質確保のための作業留意点―

(1)ほ場によってはカラスノエンドウ等雑草の侵入が見られる、決して雑草の種子が混入しないよう麦刈り前に畦畔を含め雑草処理をしましょう。

(2)雑草種子同様にソバの実も大きな問題になります、これも決して混入しないようにしましょう。

(3)昨年度の稲籾や小麦収穫前にビール麦、六条大麦を収穫したコンバイン、乾燥機を丁寧に掃除し、それらが小麦に混入しないようにしてください。

3 外観等による小麦刈り取り適期

(1)穂の外観での目安

ビール麦で成熟期に達したら時点であり、穂の2~3割が傾いた頃となります。
同じく六条大麦では成熟後3~4日後で穂の3~4割が傾いた頃です。小麦では成熟後3~4日後で穂が湾曲し始めた頃を目安にします。

ビール麦10%程度の穂の傾き

小麦、穂が湾曲し始め

(2)子実水分の確認

刈り取るときの子実の水分はビール麦で25%以下、小麦30%以下で作業を行ってください。

[1]ほぼ刈り取り適期に達したほ場でも、倒伏部分や未だ緑色が残る麦、赤かびの発生が懸念される場合は刈り分けて、別ロットにします。

[2]発芽を重視する場合は以下に留意してください。
コンバイン刈り取り速度は稲よりやや速い速度で設定されていますが、やむを得ず水分がやや多い場合での作業では稲並の速度に落とします。

[3]刈り取った子実は速やかに乾燥作業に移し、高水分子実を長時間放置し熱の発生による品質低下を防ぎます。

4 乾燥調製

(1)穂発芽(芽の動いた子実)は小麦粘度が著しく劣るため健全子実には混入させてはいけません。

(2)高温時及び高穀粒水分の収穫となる場合は収穫後速やかに乾燥作業に移し、品質低下にならないようにしてください。

(3)乾燥機における穀温は小麦45℃以下を厳守し、乾燥仕上がり水分はビール麦で12%以下、小麦で12.5%以下、六条大麦で13%に調製します。

(4)このときの注意は、高温乾燥と水分調整の戻りです。大気中の湿度により仕上げ後の水分が戻るので、その分を調整した乾燥を心がけるようにしてください。

(5) 調製時の網目は必ず麦種にあった篩い目により、適正な流量を保って使用するようにしてください。