平成28年2月12日作成

麦類 適期・適切な追肥で高品質麦生産

(担当)JA全農さいたま 営農支援課


GPS車速運動+経路誘導機能付きブロードキャスターでの少量均一散布作業風景(熊谷2,11)

1 麦類の生育状況

(1)気象経過

麦類が播種された11月から平成28年1月上旬までは平年を大きく上回る平均気温で推移しましたが、中・下旬は平年並み、2月上旬はやや高い気温となっています。

12月、1月、2月の旬毎の平均気温(熊谷地方気象台)  単位 ℃

月・旬 12月上旬 中旬 下旬 1月上旬 中旬 下旬 2月上旬
平年 7.8 6.2 5.2 4.2 3.9 3.9 4.1
H26~27 6.7 4.7 4.7 4.3 4.9 4.9 3.5
H27~28 8.6 9.4 6.9 6.8 3.8 3.9 4.5
H27~28
平年比%
110 152 133 162 97 100 110
(2)麦類の生育状況

ビール麦の播種後90日の生育は昨年同時期と比べると写真のとおり分げつが旺盛であり、撮影時の光線にもよるが葉色は淡くなっている。茎数は1株(種子1粒)当たり10本を確保している。

幼穂長は0.5~2mmに成長しており茎立ちが始まっている。

ア、ビール麦の生育

28年2月5日(播種後90日)

播種深2~3cmの株

茎数9本(他に葉鞘内に1本)

幼穂 0.5mm~2mm

イ、小麦の生育

11月中旬に播種された小麦は分げつ旺盛な生育となっており、茎数の多い穂場では葉色も淡くなり始めています。また11月下旬播種の小麦の2月5日、播種後74日目も生育は下写真の通りで、種子1粒当たり2~4本の茎数となっています。昨年の同時期で播種後79日目の生育と殆ど同じ生育とみられます。

平成27年11月23日播種(2月5日播種後74日)

茎数は1粒2~4本

平成26年11月20日播種(2月7日播種後79日)

2 今後の管理

気象庁発表による、関東甲信地方の向こう1か月の天候の見通し(2/13~3/13)では気温は高く、降水量は平年並みか多く、日照時間は平年並みか少ないと見通しています。日照時間が平年並みに推移するとすれば、麦類の生育は引き続き早く進むものと予想されますので下記に留意し適切な管理を実施してください

(1)麦踏

平年に比べ気温は高めに推移すると予報されていますが、周期的に来襲する寒波により凍結や霜柱により根の浮き上がり見られます。

小麦では2月下旬までの高麦踏みを目安にしてください。ビール麦等の大麦では既に茎立となっているほ場も多く、また、幼穂も2mm以上になっていることから茎葉の損傷は控える必要があるので麦踏みは行わない方がよいでしょう。

(2)追肥

ア、ビール麦

27年産で粗タンパク含有率が不足と指摘されたほ場では、追肥は必ず行うようにしましょう。今年の生育は旺盛であると同時に窒素やカリの土壌残存量は少なくなっていると思います。そのため2月中~下旬には窒素・カリの追肥を行ってください。施肥量は10アール窒素成分で1.5kg~2kgが目安となります。

イ、小麦

現在の生育は11月中旬播きでは生育が旺盛であり、下旬播きではほぼ平年並みとなっています。従って、葉色が落ちてきたほ場では2月下旬から行いますが、過繁茂にならないよう施肥量に留意してください。葉色濃く分げつも盛んであれば3月上旬からの追肥で良いでしょう。施肥の目安は窒素・カリ成分で10アール当たり3~4kgとなりますが、畑作で高タンパクを指摘されるほ場ではやや減じた施肥量としてください。

※ 追肥により分げつを促進させ、葉色を保持し、子実粗タンパク含有率を適正に確保するには石灰窒素を含有した「けやきハイパワー」の長期肥効が有効と考えています。

(3)排水路(溝)の整備作業・良品質麦生産のために

近年、3月から4月に大雨の降ることが多いため、土の乾いている1月から2月に排水路を整備することが大切です。降った雨水がスムーズに排水路に落ちなければなりません、高低差を良く確認し、問題があればすみやかに補修を行ってください。

ビ-ル麦、小麦についても、醸造適性、製粉・加工適正に優れた充実の良い麦を生産をしなければなりません。そのため下図を参考に必ず排水対策を行い、根の健全をはかり生育の後期凋落を防止し充実した良品質麦生産を達成しましょう。