平成27年10月21日作成

麦類

(担当)JA全農さいたま 営農支援課

埼玉県の平成27年産4麦の作付け面積は5,960ha(昨年比△40ha)でした。収穫量は24,700t(同110%)、なかでも小麦は10aあたり収量は414kgと都府県でも群馬県421kgに次いで2番目の単収でした。ビール麦では同じく422kgで都府県では1番目でした。6条皮麦でも同じく456kgで1番目、裸麦でも同じく369kgで1番目と麦作県として如何なくその成果が発揮されました。(農林水産省平成27年麦類作況調査による)

麦作は水田や畑の有効活用、高度利用の面から、また経営的にもとても有利な作物です。麦の作付け拡大を是非お願いいたします。

本年の作付けにあたっても、昨年の成果を踏まえ(1)適期播種の励行や(2)播種量、基肥施肥量の適正投入、(3)排水路の整備、見直しをしっかり行い、麦の収量及び高品質が確保できるよう基本を徹底しましょう。

1 土壌診断と土壌改良資材の施用

(1) 麦類は下表のようにほぼ中性を好みます。特に、大麦は酸性に最も弱い作物です。酸性土壌は出芽苗立ちはもちろん、その後の生育に大きな影響を与えます。
耕起前に土壌PHの測定を行い、石灰等のアルカリ性資材により麦類に適正な土壌にしましょう。

(2) 稲ワラや堆肥を施用し地力を維持しましょう。前記有機物が手に入らない場合は腐植酸等を含み土壌改良効果の優れたレオグリーン特号の100kgの施用を進めています。

2 排水対策の徹底による苗立と収量・高品質確保

排水対策が麦作りの最大のポイントです。水稲など前作物の収穫後、できるだけ早くほ場の周囲と内部に排水溝を掘削し、ほ場外の排水路に連結してほ場の乾燥を進めましょう。

次に、弾丸暗渠機を用いて、本暗渠と直交するように2~3mの間隔で、30cm程度の深さに弾丸暗渠を施工しましょう。畑や固定転換畑ではサブソイラーによる心土破砕も大きな効果が得られます。

播種後に再度、ほ場の周囲と内部に5~10m間隔で排水溝を施工し、ほ場外の排水路と確実に連結して、湿害防止に努めます。

3 種子消毒

種子伝染病害防除のため種子は必ず消毒しましょう。消毒方法は簡単で素早くできる種子粉衣をお勧めします。

種子消毒薬剤例

薬剤名 なまぐさ黒穂病 裸黒穂病 条斑病 斑葉病
ベンレートT水和剤20
トリフミン水和剤 ×

※ 種子量の0.5%を粉衣。種子30kgに薬剤150g

4 基準量の基肥を確実に施用(前作物や土壌条件により増減して下さい。)

麦種 品種名 けやき化成444
10a施肥量
N - P - K
Kg/10a
六条大麦 すずかぜ 50 7-7-7
二条大麦 彩の星 50 7-7-7
小麦 さとのそら 50 7-7-7
あやひかり 50 8.4-8.4-8.4

◎ 追肥を省略する一発肥料も推進しています。

5 播種時期と播種量 播種適期を厳守しましょう

麦種 品種名 播種適期 ドリル播種量 kg/10a
六条大麦 すずかぜ 11月5日~11月20日 5~6
二条大麦 彩の星 11月5日~11月20日 6~8
小麦 さとのそら 11月10日~11月25日
あやひかり 11月10日~11月25日

耕起・施肥・播種・除草剤散布の同時作業で適期播種をしましょう。

6 雑草防除(播種後直ちに土壌処理剤を散布しましょう。)

薬剤名 麦種 使用時期
クリアターン乳剤・細粒剤F 小麦・大麦 播種直後(雑草発生前)
ボクサー 小麦(秋播) 播種後~麦4葉期(雑草発生前~発生始期)
麦類(秋播、小麦を除く) 播種後~麦2葉期(雑草発生前~発生始期)
ゴーゴーサン乳剤

小麦

播種後(雑草発生前)~小麦2播期 イネ科雑草1
葉期まで
麦類(小麦を除く) 播種後出芽前(雑草発生前)
ゴーゴーサン細粒剤F 麦類 播種後出芽前(雑草発生前)
ガレース乳剤 小麦・大麦 播種後出芽前(雑草発生前)
ガレースG 小麦・大麦 播種後出芽前(雑草発生前)
小麦・大麦1~2葉期(雑草発生前~発生始期)
ムギレンジャ-乳剤 小麦・大麦 播種後出芽前(雑草発生前)

 カラスムギ発生畑では早めに耕起しカラスムギを発芽させ、再度耕耘を繰り返し(又はラウンドアップマックスハイロードを散布し)発生密度を下げるなどの方法も良いでしょう。但し除草剤散布に際しては近隣作物へのドリフトに十二分に注意しましょう。