平成27年9月9日作成

 早期栽培では8月中旬から収穫が始まり、高温障害が見られるものの美味しい埼玉産「コシヒカリ」等が集荷され始めました。早植栽培もそろそ収穫間近ですが、8月20日から曇雨天で低温の日が続いてます。このため収穫作業がやや遅れています。キヌヒカリでは穂発芽の有無を確認し収穫作業に入ってください。6月からの普通期栽培は、登熟中・後期の生育ですが曇雨天の影響により生育が若干遅れています。適期刈り取りと適性な調製により良品質米の生産に努めましょう!

(担当)JA全農さいたま 営農支援課


鉄コーテイング水稲直播現地検討会風景8/26(東松山市:5月12日播種コシヒカリ)

9~10月管理のポイント4項目

1,落水期

2,適期刈り取りの励行

3,適切な乾燥調製作業で高品質米生産

4,コンバインや乾燥機のメンテナンス

※動力部の注油で故障や破損、また昨年の籾や麦類、異品種が混入することを未然に防ぎましょう。

本年も高温での成熟や刈り遅れ、高温送風乾燥により胴割米の発生が見られました。今後もどの様に天候が変化するか予想が出来ません。また、不順な天候下での刈り取りにより高水分籾収穫の急激乾燥による品質低下が心配されます。上記4項目を遵守し不純天候下での高品質・埼玉米生産に取り組みましょう。

左写真のように自然光では目立ちませんが、右写真のように下から光をあてると胴割れが明瞭に見えます。刈り取り遅れや高温急激乾燥は避けましょう。

1,落水期

9月でこの項目に該当するのは、5月下旬植からの「彩のかがやき」や、6月中下旬植の水稲になります。落水期については、早期・早植栽培と同様に米の大きさが決まった出穂後30日後とします。玄米の充実には重要なポイントとなります。

具体的には早植(5月中旬)の「コシヒカリ」「彩のきずな」「キヌヒカリ」など8月上旬に出穂したものでは、9月上旬には落水となっています。出穂が中旬での「彩のかがやき」では9月10日前後になります。

ただし、今年は8月下旬から曇雨天が9月上旬まで続き、落水出来ない状況です。これまでの反対の作業が必要となっています。つまり、排水がスムーズに行えるよう排水口をしっかり整備し排水路に水が溜まらないよう管理すると共に暗渠の有る水田では暗渠排水は必ず行い、刈り取り作業が速やかに行えるようにしましょう。

6月中下旬植の「キヌヒカリ」で8月15~20日頃に出穂期を迎えたものでは9月15~20日頃までは田を乾かさないことが重要ですが、これまでの降雨により土壌水分が十分保たれております。従って、9月中旬に入ったら上記記入同様、速やかな田の排水対策を行い適期の刈り取りが出来るようにしてください。

2,適期刈り取りの励行と障害粒混入防止

稲も成熟期を迎え高品質・高食味米を確保しなければなりません。そのためには埼玉県農林総合研究センターでは下表のとおり、(1)出穂後日数で判断する方法(2)籾の色相変化による帯緑籾歩合(%)方法(3)出穂した後、日平均気温を和した登熟積算気温による方法を明らかにし情報提供をしています。

最もわかりやすいのは(1)の出穂後日数ですが、今年は8月中旬から気温が低下すると共に日照不足が続いています。そのため平年に比べ登熟が遅れていると思います。それを補うため熊谷地方気象台の観測データーを活用した積算温度と併用すれば、より確かな刈り取り時期を掴むことが出来ます。

積算温度:気象台発表の日毎の平均気温を合計して気温を算出します。

8月10日出穂期では9月8日までの29日間の平年積算温度では770.1℃ですが本年は746.8℃と23℃少なく、積算温度だけで見ますと約1日遅れとなっています。

※穂発芽の有無を必ず確認し、(要キヌヒカリ)成熟後も降雨多く穂発芽が心配されます。

もし発生があったならその部分、あるいはほ場は別刈りを行い、健全なほ場とは区別して乾燥・調製を行って下さい。

作期・品種別の収穫適期判定指標
作期 品種名 出穂後日数(日) 登熟積算気温(℃) 滞緑色籾歩合(%)
早植栽培 キヌヒカリ 40~50 980~1,180 35~15
彩のかがやき 36~46 910~1,110 90~45
彩のみのり 41~50 1,040~1,230 80~50
彩のほほえみ 40~49 1,020~1,210 80~50
普通栽培 キヌヒカリ 42~50 920~1,050 35~15
彩のかがやき 44~58 1,010~1,250 55~25
彩のみのり 43~55 970~1,190 60~20
彩のほほえみ 45~59 1,030~1,300 60~20

3,適切な乾燥調製作業で高品質米生産

(1)籾水分%と刈り取り時期

刈り取りは籾水分25%以下になってからが適切です。反面、適期が過ぎ、ほ場での過乾燥では胴割米発生の危険があります。

コンバイン各部の清掃をしっかり行い、他品種や昨年の籾や麦の混入が無いようにしてください。また、高水分刈り取り籾を長時間堆積し、籾発酵による品質低下の無いよう十分気を付けて下さい。

(2)乾燥温度

一般に、乾燥における品質低下の原因は、乾燥不足、過乾燥、乾燥ムラ、急激乾燥による胴割米、油煙事故などです。

  1. 乾燥不足や過乾燥を防止するため、必ず水分計を用いて水分測定を正しく行ってください。
  2. 乾燥ムラは、夾雑物が多くて循環不良を部分的に起こした場合や、水分較差の大きい籾を混合した場合などで発生するので、これらの点にも留意してください。
  3. 胴割れや食味低下を防止するため、高水分籾の高温急激乾燥は絶対に行わない。
    送風温度30℃以下の遵守。穀粒水分が20%以下になってから通常の送風温度に上げます。
  4. 籾の張り込み量が少ないと循環速度が早まり、穀粒内部水分が均一化するまでの時間が短いので胴割れを起こしやすくなります。必ず最少張込量以上で運転しましょう。
  5. 適正玄米水分14.5~15.0%を厳守してください。
(3)調製は念入りに
  1. もみすり機は、流量、ロール間隙を調整して適性な脱ぷ率にします。
  2. 乾燥不足や籾温の放冷が不十分の場合は肌ずれ米が出やすいので注意してください。
  3. 過乾燥籾は胴割米が生じやすくなります、上記を遵守してください。
  4. 必ずライスグレーダを用い、流量と傾斜角度を適正に設定して調製を行って下さい。
  5. ライスグレーダは、品種の粒径に見合ったふるい目を選定して使用するが、整粒歩合を高めるため努めて1.80ミリ以上の網目を用いましょう。
    ただし、酒米の「さけ武蔵」は2.0ミリ網目です。

○1等比率

銘柄米

100%

一般うるち米

90%以上

適正水分

14.5~15.0%

整粒歩合

80%以上の確保

○麦の混入

絶  無

○着色粒の混入

絶  無

○適正量目

皆掛重量 紙袋: 30.5㎏以上

フレコン:1,033.0㎏以上

上記に留意し消費者、実需者に高い評価を得るようにしましょう。