平成27年7月6日作成

生育は順調ですが、暑い夏を想定した、施肥等の管理に留意しましょう!

(担当)JA全農さいたま 営農支援課 技術参与 鈴木 栄一

 熊谷地方気象台の6月観測によれば平均気温は22.4℃(平年比103%)、同降水量は240mm(同165%)、同日照は152.5時間(121%)と平均気温比+0.7℃高くなっています。
 このため水稲の生育は停滞が見られましたが天候の回復によって順調な生育に戻っています。7月は中干しやその後の水管理、穂肥の施肥、各種病害虫対策や水田によっては雑草対策などの作業があります。いずれも品質や収量に大きく影響する作業ですので、稲の生育状況に合わせ適切な管理作業を行ってください。特に3か月予報ではエルニーニョの影響を予測しており平年並みの気温経過ですが曇りの多い天候を予想しています。暑い夏になるか冷夏になるか現時点では予測できませんが健全な稲体を作るため栽培管理を徹底しましょう。
 追肥体系の栽培では計画通り適期に穂肥を行い、良質米の生産を目指しましょう。特に「彩のかがやき」は、高温障害が発生しやすいので、管理を徹底しましょう。

中期管理のポイント4項目

       1,中期除草剤の利用     2,中干し作業
       3,穂肥の施用          4,病害虫の発生と防除

1,中期除草剤の利用

(1)ノビエの取り残し対策

 初期剤等で処理したにもかかわらず、何らかの要因でひえが発生してしまったら中期剤としてクリンチャー1キロ粒剤、ヒエクリーン1キロ粒剤やクリンチャーEWの使用が効果的です。ノビの葉齢を確認し散布しましょう。

(2)広葉雑草や多年生雑草発生対策(イネ科雑草含む)

 ヒエ類や広葉雑草の発生が見られたら、サンパンチ1キロ粒剤、ザーベックスSM1キロ粒剤、マメットSM1キロ粒剤、クミメートSMやクリンチャーバスMEが有効でしょう。使用時期等を確認し使用して下さい。

(3)広葉雑草、多年生雑草発生対策

 マツバイヤホタルイ、オモダカやクログワイ等の雑草が発生した水田では、バサグラン粒剤や液剤が効果的です。

(4)最近問題になっているクログワイ除草対策

 全農では初中期一発剤のエーワン、キチット、ゲットスター、ボデーガード、ゴウワンL、シリウスターボ等の初中期一発剤を処理した後、中期剤として、バサグラン粒・液剤による体系処理を提案しております。

 ※薬剤の使用に当たって必ずラベル等の記載内容を確認し、使用方法を遵守してください。

2,中干し作業

有効茎を確保後幼穂形成期までの間、水田に水を入れず田面を乾かす作業。

中干しの主な効果は

(1)株元を固め倒伏を軽減(防止)する。
(2)土中に酸素を供給し根の活力を向上。
(3)余分な窒素を流亡させ、無効分げつを抑制させます。
(4)中干し時期の目安

中干しの時期は、有効茎係数(18本以上)が確保されれば早めに実施しましょう。
田植え後35日から40日程度でこの時期になります。
最近は、疎植栽培から中干しの時期が遅れる傾向にありますが紋枯病の発生が多くなりますので特に注意が必要です。

3,穂肥の施用

(1)品種と施肥(穂肥時期、量)

[1]耐倒伏性の弱い品種 コシヒカリ、キヌヒカリ
 下位節間の伸長が決定する出穂前20日頃で、幼穂長2cm、澱粉蓄積50%以上で窒素成分2kg前後を目安。

[2]耐倒伏性の強い品種 彩のかがやき、彩のみのり、彩のきずな
 頴花分化期(幼穂形成期)、出穂前23日~25日頃で、幼穂長5mm程度の時期に窒素成分で2.5~3kg/10a、倒伏が心配なら施肥時期を遅らせるか減肥した穂肥とする。

 ※晩期追肥や過剰施肥はタンパク含有率が多くなり食味を著しく低下させるので注意してください。

(2)中間追肥と穂肥

 「彩のかがやき」などの高温障害を受けやすい品種は、移植後40日~45日頃の葉色が、4.5を下回った場合(普通植は移植後30日~35日、葉色4を下回った場合)は、高温障害を更に受けやすくなりますので、窒素成分で1~2kg/10a程度の中間追肥が必要となります。
 穂肥を実施する場合、穂肥時に葉色が4を下回っていることを確認してください。4以上の場合、施用時期を遅らせるか中止します。(出穂前10日になっても葉色4以上の場合は穂肥を中止します) 反対に穂肥の時期に葉色が著しく低下している場合(3以下)は、出穂前15日に穂肥の追加を実施します。

(3)葉色カラースケールによる判断

左から葉色値1~7、この葉色値4と判断

  群落で見た数値と対処法

3・肥料極めて少ない。
彩のかがやき等では高温障害を受けやすくなる。

4・順調な生育であり穂肥の効果が高い。

5・やや窒素が残っているので穂肥は減肥か遅らせる。

6・窒素過剰であり倒伏の危険がるので注意、穂肥中止。

4,病害虫の発生と防除

(写真は埼玉県農作物病害虫図鑑 埼玉県植物防疫協会編)

(1)イネアオムシ (フタオビコヤガ)

6月下旬から発生を始める。7月中旬以降目立ってくる。
殺虫剤としては[1]MRジョーカーEW、[2]スミチオン乳、[3]エルサン乳剤の散布。

(2)イネツトムシ(イチモンジセセリ)

7月20日以降から幼虫が発生し、葉の食害の他、主に止葉を綴ったツトを作る被害を与える。
殺虫剤は[1]パダンSG水溶剤、[2]パダン粒剤4、[3]スミチオン乳剤、[4]パダンオリゼメート粒剤

(3)ニカメイチュウ

 6月中旬と8月中旬の被害(6月20日頃第1回成虫が飛来、8月20日頃第2回成虫が飛来し、その幼虫が茎の中に侵入し食害する。殺虫剤は[1]パダン粒4、[2]トレボン粒、[3]スミチオン乳剤等が利用できる。

 ※薬剤の使用に当たって必ずラベル等の記載内容を確認し、使用方法を遵守してください。