平成26年12月1日作成

施設園芸の省エネルギー対策の徹底を!

(担当)JA全農さいたま 営農支援課 技術参与 鈴木 栄一

施設園芸において冬季の暖房は不可欠なものとなりつつあります。暖房の熱源として利用するものの多くはA重油などの化石燃料です。

化石燃料は、地球温暖化の一因となっています。また、近年の燃料高騰は経営コストを押し上げています。省コスト化を実現することは、経営を安定させることにも繋がり重要な事項となります。

そこで、省エネの基本技術を以下のとおりまとめましたので、栽培管理の参考にしてください。

1.施設・機器の整備

(1)ガラス温室、ビニールハウス等の気密性保持のための点検・整備を行います。

(2)内張の多層化(2~3層カーテン)を図ります。
資材としては、保温性の高い資材を選択することが効果的です。
効率については下記の表を参考にしてください。

カーテン等は気密性を高めるため破れやカーテンの合わせ目等の隙間を無くすことが大切になります。

(3)出入口部分にフイルムを張り、出入時の外からの冷気侵入を防ぐと効果的です。特に出入口に中間気候室を設置するとさらに効果的となります。

(4)暖房機の点検・整備、清掃により燃焼効率を高めます。
ボイラー燃焼室のスス掃除とともに缶体のスクリュープレートの汚れをワイヤブラシなどで落とすことが大切です。また、バーナーノズルの清掃と定期的な交換を行うことも省エネにつながります。

2.栽培管理上の注意

(1)ハウス内温度の均一化
 各作物ともに適正な温度設定に注意し、ハウス内の温度を均一化させるため、循環扇の設置や送風ダクトの適正配置を行います。暖房機の送風ファンを空回しするタイマーを取り付けることによって循環扇の役割を果たすことができます。
 循環扇等で施設内に空気の流れを起こすことは、作物の濡れを少なくすることから病害の発生を抑えることにもなります。

野菜の生育適温
種類 昼間適温 夜間適温 地温適温
  (℃) (℃) (℃)
キュウリ 25~28 10~15 18~20
トマト 25~28 8~13 15~18
ナス 25~28 13~18 18~20
イチゴ 18~25 7~10 15~18
ホウレンソウ 8~25 5~ 8 12~16
レタス 18~25 5~10 15~18
花きの冬期標準管理温度
種類 昼間気温 夜間気温 備考
  (℃) (℃)  
チュ-リップ 25以下 13~14 作型により異なる 夜間気温を下げる例あり
ユリ(アジアティック) 25以下 8~13 作型により異なる
ユリ(オリエンタル) 25以下 12~15  
ユリ(テッポウ) 25以下 12~14  
キク 25以下 14~18  
バラ 23~25 10~15  
アルストロメリア 25以下 5~10 作型・品種により異なる
宿根(カスミソウ) 22以下 8~10 草丈10㎝迄は夜間気温15℃
プリムラ(オブコニカ) 20以下 8~12  
プリムラ(ポリアンタ) 25以下 5~ 8  
プリムラ(マラコイデス) 20以下 10 12~1月出荷・春出しは夜間気温5℃
ペラルゴニウム 25以下 10~12  
シクラメン 25以下 10~12  
シネラリア(サイネリア ) 20以下 5~ 8  
ポインセチア 25以下 16  

(2)変夜温管理の徹底

日没から4~6時間の前夜半とそれ以降の後夜半で温度管理を密に行い、効率的な温度管理を進めます。

主な施設野菜の生育適温及び限界温度
種類 昼間気温(℃) 夜間気温(℃)
最高限界 適温 適温 最低限界
キュウリ 35 25~28 10~15
ナス 38 25~28 13~18
トマト 35 25~28 8~13
イチゴ 30 18~25 7~10

※多段サーモの設置は有効である。

(3)天敵利用の場合は温度管理に注意

生育温度より低い温度になると活動が弱くなるので注意が必要です。

農林水産省施設園芸省エネルギー生産管理マニュアル参照